法務省が、登記が十分に行われていない建物の実態把握と対策に乗り出しています。全国では対象となる建物が1000万を超える可能性があり、古い実家や空き家を所有している方にとっても無関係ではありません。政府も2026年6月の基本方針で、未登記建物の実態把握を進め、新たな制度を検討する方針を示しています。
内閣官房「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議(第16回)」
未登記の問題は「役所の手続きが済んでいない」というだけではなく、売却や相続、災害時の復旧などにも影響する可能性があります。
「1000万超」はすべて完全な未登記建物ではない
2025年10月から2026年2月に760自治体を対象に行われた調査では、固定資産課税台帳上の約3610万建物のうち約800万件が「登記未了」で、割合は22.2%でした。全国では1000万件を超える可能性があるとされています。
ただし、この数字には建物そのものが表題登記されていないケースだけでなく、増改築部分の変更登記が済んでいないケースや附属建物の登記漏れなども含まれます。「全国に1000万棟以上の完全な未登記建物がある」という意味ではない点には注意が必要です。
建物を新築したら表題登記が必要
建物の表題登記は、所在地や種類、構造、床面積など、建物の物理的な状況を登記簿に記録する手続きです。法務局は、不動産の表示に関する登記について、原則として物理的状況が変わった日から1か月以内に申請する必要があると案内しています。
法務局「登記の申請を御検討されている皆さまへ」
表題登記など「表示に関する登記」は土地家屋調査士、所有権移転など「権利に関する登記」は司法書士が専門分野です。古い建物では、増築した部分だけ登記内容と現況が違っていることも考えられるため、まず現在の登記内容を確認することが大切です。
売却を考えるなら早めに登記状況を確認
未登記や登記内容と現況の不一致がある場合、売却までに追加の手続きが必要となり、買主側の融資や決済スケジュールにも影響する可能性があります。特に「親から相続した古い実家」「長期間使っていない空き家」「増築歴がある住宅」は早めに確認しておきたいところです。
登記事項証明書はオンラインで交付請求することもできます。手元の権利証や登記識別情報だけで判断せず、現在の登記事項と実際の建物の状態が合っているかを確認してみましょう。
法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」
相続登記もあわせて確認を
2024年4月からは相続登記も義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が原則です。2024年4月より前に発生した相続で未登記のものも対象となり、以前から相続したことを知っていた場合は原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。
法務省「相続登記の申請義務化について」
実家を売却する予定がなくても、相続が重なれば権利関係の確認に時間がかかることがあります。将来の売却や活用を考えるうえでも、早めに整理しておく意味があります。
法務局「不動産登記申請手続」
査定と一緒に権利関係も整理しておこう
実家や空き家を売却するか、保有を続けるか迷っている場合は、現在の資産価値と登記状況の両方を把握しておくと判断しやすくなります。
無料査定は売却を決めた人だけが利用するものではありません。現在の価格を確認したうえで、売却、保有、活用のどれが適しているかを検討するための材料にもできます。
登記内容に不明点がある場合は、表示に関する登記は土地家屋調査士、権利に関する登記は司法書士、制度そのものについては管轄の法務局などに確認すると安心です。
「不動産売却王」は、物件情報を入力するだけで自動査定が受けられる無料サービスです。難しい手続きは不要で、スマホからでもかんたんに使えます。査定を受けたからといって、売却を急ぐ必要はまったくありません。