不動産売却はどんな会社に頼めばいい?
01|どんな業者を選べばいいのか?
この章では、不動産のブロである私が、
「もし自分の不動産を売却するなら、どんな業者に依頼するのか?」
そんな視点からお話ししたいと思います。
不動産売却を成功させるには、適した不動産会社を選べばいい…
と、理解しても実際にどう業者を選べばいいのか?
実は不動産会は同じように見えますが、得意分野が全く異なります。
いまから不動産会社を整理しましょう。不動産会社を分類すると…

分譲販売
- マンションデベロッパー(主に居住用)
- マンションデベロッパー(投資用マンション)
- 開発業者(大規模な土地区画分譲や一戸建て分譲)
- 建売業者(小規模開発)など
仲介
- 買物件の仲介
- 賃貸物件の仲介、管理
- 投資用物件の仲介
- 店舗、事務所、倉庫など事業用物件の仲介
買取&再販
- 新築売れ残り物件の買取再販
- 中古物件の買取再販(リフォームやリノベーション後に販売)
- 中古物件、土地の買取再販(現状販売)
- 競売物件の買取再販 など
専門系、その他
- 企画開発業務
- 不動産特定共同事業、不動産投資ファンド
- オフィスビル、テナントビル、商業施設の運営
- 資産有効活用業務
- 不動産競売、任意売却専門
- 建築業者の兼業 など
あなたが売却依頼を検討する業者は、売買物件の仲介業者です。
更に、この中で「土地、一戸建て、中古マンション」などに分かれています。
売買物件の仲介業者のタイプ
売買物件を取り扱う仲介業者
- 土地や一戸建てを中心に取り扱う
- 中古マンション中心に取り扱う
- 投資用物件を中心に取り扱う
- 買取り業者へ物件を持ち込むこと(業販)を中心に取り扱う
- 新築マンションなどの販売業務を デベロッパーから請け負う業者(代理業者)
- 居住用物件に強い業者
- 事業用物件に強い業者
- 投資用物件に強い業者
- 売却の依頼を受けるのが得意な業者(物上げ業者、元付業者)
- 購入希望者を見つけるのが得意な業者(客付業者)
不動産業者のタイプがわかったとしても、違いを見分けるのは難しいかも知れません。
不動産業者によっては、上記のように得意な部分もあれば不得意な部分もあるので、注意が必要です。
大事なポイントは…
「不動産業者によってメイン業務が違う、得意なことが異なる」ということを前提に、 どのような物件を取り扱っている会社なのかをよく観察することです。
もちろん、 賃貸専門業者が土地や一戸建ての売買を取り扱うことに法律上の問題はありません。
マンション専門業者が土地、一戸建ての売買を扱っても問題ないのです。
また、そのような業者に依頼しても、結果的にうまくいく事もあると思います。
たとえ「初めて土地や一戸建ての売買を仲介した」としても、
「まだ不慣れな宅地建物取引主任者や営業担当者」でも、
「問題ない物件」を取り扱った、という条件がつきますが…
仮に一連の手続きをこなせたとしても、
本来得られる価格よりも市場の価格以下(低い金額)で売却することも十分考えられます。
- 敷地境界の問題
- 埋設管の問題(配管位置や素材など)
- 地下の問題
- 土地の権利関係の問題(隣地や私道など)
- 擁壁(ようへき)や法面(のりめん)の問題
- 建物自体の問題
- 道路幅の問題(役所の台帳との相違など)
- 隣地とのトラブルなどなど…
などといったトラブルや問題が起きる可能性もあります。不動産は非常にデリケートなものですから、慎重に取引を進めないとトラブルや問題は起こりやすく、挙げていけばきりがありません。未然に事故を防ぐ目的で、国土交通省がトラブル事例をデータベースでまとめている程です。
また、問題が起こった場合に、不動産業者が責任を持つ業者なら良いのですが、責任を持たない業者のケースも過去にあります。
例えば…
- ・引き渡しが終ってから買主に契約解除を出される。
- ・売主に対して損害賠償請求や訴訟を起こされる。
まとめると、マンション、土地、一戸建てを売却するのなら最低でも売買をメインに取り扱っている仲介業者を選ぶというのが守るべき基本でしょう。
そして、その地域や不動産の種類の取引に強い業者なのか、実績はあるのか?担当者の経験や知識は豊富なのか?これらについて知っておくと良いでしょう。
02|大手業者か、中小業者か?
「大手業者がよいのか、中小業者がよいのか?」
よくこのような質問をお受けします。
結論から言うと、会社の規模の大小はあまり関係がありません。
なぜ規模の大小はあまリ関係ないといえるか? このことについてお話します。
と、理解しても実際にどう業者を選べばいいのか?
実は不動産会は同じように見えますが、得意分野が全く異なります。
不動産会社を取り巻く環境の変化
不動産の流通システムが整備されている現在では、業者間の情報に格差がなくなりました。 売却を依頼された不動産業者は、不動産流通機構が運営している「レインズ」という物件情報システムに登録します。登録すると、どの業者であっても物件情報を受け取ることができます。
不動産売却には 3つの契約があります。
この2つの契約の場合には物件情報システムへの登録義務があります。
依頼を受けてから一定期間内に登録をしなければなりません。
また、残りの契約形式、
この契約には登録義務はありませんが、実際のところ登録する業者が多いのが現状です。
売却を依頼する業者の規模の大小に関係なく、同じ条件で業者間に情報が公開されています。
現状では、3つのどの契約でも物件情報の条件は同じです。
×大手業者デメリット
- × 特殊なケースに対応できない
- × 案件が多いので個別で力を入れてもらえない
●大手業者まとめ
大手のメリットの一番は大手という安心感です。
資金に余裕があるため、受付から会社の設備なども立派です。ただし、不動産業界のバブル以降の大型倒産も珍しくないため、大手といっても一概に安心というわけでもありません。
「もしトラブルが起こったとき最後まで対処してくれるのか?」
街の業者と比較すると、このように思われたのかもしれません。その点大手は、マニュアルなどで、一定以上の社員教育をしているところが多いため安心感があります。
その反面、特殊な物件は余り力をいれてもらえない場合があったり、一定以上のサービスを期待しても断られることもしばしば。経験の浅い新人スタッフが担当する場合もあります。
×大手業者デメリット
- × ネットなどの販売力は大手より弱い
- × 安心感がない
●大手業者まとめ
街の不動産屋さんなど中小の不動産会社に依頼するメリットは、地元密着ならではの独自の業者間ネットワークや人脈を持っている点です。また大手より親身になって相談に乗ってくれる傾向があります。
デメリットは、販売ネットワークが狭い点です。どこでも売れるというわけではなく、地元に特化している傾向があります。一人で切り盛りしている業者は確かに安心感という面では不安だと思います。
大手に負けない安心感を中小業者で求めるなら、地元に長く根ざした業者であり、大手の会社を超える「誠実さ」と「情熱」を持っている業者を選びましょう。
中小でお客様に誠実でない、一生懸命でない、地元に強くないと感じる会社や、やる気を感じ無い担当者なら中小を選ぶ理由はありません。
大手業者、中小業者、ともにメリット、デメリットがありますが、その両者の良い面を兼ね備えた会社が良い会社といえます。
また、どの会社でもそうですが担当者もポイントです。