広い土地の売却や購入を考えている方に関係する、届出制度の見直しが検討されています。国土交通省は2026年8月7日、土地の取得・利用に関する有識者会議の提言を公表しました。土地取引をより広く把握し、不適切な利用への対応を強めることが狙いです。
ただし、提言の公表によって、直ちに届出対象の面積が変わるわけではありません。検討されている内容と、現在の手続きを分けて確認しましょう。
■ 国土交通省「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」提言公表
届出対象の面積を引き下げる方向へ
今回の提言では、国土利用計画法に基づく土地取引の届出について、対象となる面積要件の引き下げが示されました。地域の実情に応じ、自治体が基準をさらに引き下げられる仕組みも検討対象です。
背景には、廃棄物や土砂の積み上げなどによって、周辺で騒音や悪臭、安全面の問題が生じていることがあります。取引段階で利用目的を把握し、取得後も利用状況を継続的に確認できる制度への見直しが求められています。具体的な面積や施行時期は、今後の制度設計を確認する必要があります。
現在はどれくらいの土地が対象?
現行の一般的な事後届出制度では、次の面積以上の土地売買等が対象です。
| 土地が所在する区域 | 届出対象の面積 |
|---|---|
| 市街化区域 | 2,000㎡以上 |
| 市街化区域以外の都市計画区域 | 5,000㎡以上 |
| 都市計画区域外 | 10,000㎡以上 |
基準は「宅地」「農地」「山林」といった地目だけで決まるものではありません。土地がどの区域にあるかが重要です。農地や山林を所有している場合も、所在地の自治体で区域区分を確認しましょう。
届け出るのは買主。期限は契約から2週間以内
一般的な売買で届出義務を負うのは、土地を取得する買主です。契約締結日を含めて2週間以内に、土地の所在する市区町村の担当窓口へ届け出ます。
注意したいのは、期限の起点が引渡し日や登記日ではなく、契約日であることです。決済まで時間があるからと準備を後回しにすると、期限を過ぎるおそれがあります。
売主も、買主や仲介会社と届出の要否を共有しておくと安心です。なお、注視区域・監視区域などでは別の手続きとなるため、所在地の窓口で確認が必要です。
小さく分けて買っても届出が必要な場合がある
個々の土地が基準未満でも、買主が一連の計画で取得し、一体的に利用する「一団の土地」に該当すると、合計面積で判断されます。
例えば、市街化区域で隣接する1,200㎡と1,000㎡の土地を、一つの事業用地として取得するケースです。一団の土地に該当すれば、合計2,200㎡となり、それぞれの契約について最初から届出が必要になります。売主が異なる場合も、買主の取得計画を確認することが大切です。
売却前に面積と利用条件を整理しよう
土地の売却を考える際は、面積だけでなく、区域区分、買主の利用計画、必要な手続きを整理しておきましょう。届出対象の拡大を理由に売却を急ぐのではなく、制度の具体化を確認しながら準備することが大切です。
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