住宅ローンの金利上昇が、住宅購入を考える人だけでなく、すでにローンを返済している人にとっても無視できない問題になっています。
日本銀行は2026年6月の金融政策決定会合で、短期政策金利を1.0%程度としました。日銀は今後についても、経済・物価情勢を確認しながら金融緩和の度合いを調整する方針を示しています。
「借りられる金額」と「返せる金額」は違う
住宅ローンを考える際、まず意識したいのが「返済負担率」です。年収に対して年間のローン返済額がどの程度を占めるかを示す数字で、金融機関の審査でも使われます。
例えばフラット35では、住宅ローンだけでなく自動車ローンや教育ローンなども含めた総返済負担率について、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下という基準を設けています。
ただし、審査基準を満たしたからといって、その金額を借りても家計に余裕があるとは限りません。
税金や社会保険料を差し引いた「手取り収入」を基準に考え、教育費、老後資金、車の買い替えなど将来の支出も含めて確認することが大切です。総務省の統計でも、可処分所得は実収入から税金や社会保険料などを差し引いた、いわゆる手取り収入とされています。
マンションはローン以外の負担にも注意
特にマンションの場合、毎月必要なのは住宅ローンだけではありません。管理費や修繕積立金があり、将来的に金額が見直される可能性もあります。
国土交通省は修繕積立金について、長期修繕計画に必要な金額を確保する観点からガイドラインを示しており、2024年には段階的に積立額を引き上げる場合の考え方も追加しました。
そのため住宅ローン返済だけを見て「まだ大丈夫」と判断するのではなく、住居費全体で家計を確認したいところです。
金利上昇を機に「今の家に住み続けるか」を考える
すでに住宅を所有している方にとっても、金利上昇は家計を見直すきっかけになります。
余裕資金があるからといって、すべてを繰り上げ返済に使うのが最善とは限りません。病気や収入減少に備える生活予備資金、教育費、老後資金などとのバランスを考える必要があります。
一方、「今後の返済負担が重い」「子どもの独立で広い家が不要になった」「住み替えも考えている」という場合には、現在の住宅の資産価値を一度確認してみる方法もあります。
売却を急ぐ必要はありません。住宅ローン残高と現在の査定価格を把握しておけば、住み続ける、繰り上げ返済する、住み替えるといった選択肢を比較しやすくなります。
金利が動く時代だからこそ、「いくら借りられるか」だけでなく、「無理なく暮らし続けられるか」という視点で住宅と家計を見直してみてはいかがでしょうか。
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