2026年3月、国の住宅政策の指針「住生活基本計画」が5年ぶりに改定され、50年近く使われてきた住まいの広さの目安が姿を消しました。家を手放すことをいつか考える方にも関わる話です。
50年続いた「広さの目安」がなくなりました
これまでの計画には、広さの目安が2つありました。欠かせない広さを示す「最低居住面積水準」と、ゆとりある暮らしの目標である「誘導居住面積水準」です。ひとり暮らしで25平方メートル、4人家族なら都市部で95平方メートルといった数字です。
新しい計画では、この2つがそろって削除されました。暮らし方が多様になるなかで国が一律の数字を掲げる意義が薄れたこと、目安と実際の住まいに開きが出てきたことが理由とされています。(参考:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」)
代わりに書かれた「40平方メートル程度」
とはいえ、数字がすべて消えたわけではありません。これから供給や流通を促す住まいの規模として、40平方メートル程度を上回る住宅という考え方が加えられました。目安の役割が、目標からゆるやかな呼びかけへ変わったといえます。
広い家が多い地域ほど関わってくる話です
総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年時点で1住宅あたりの延べ面積は全国平均でおよそ90平方メートル(専用住宅)です。一戸建てが多い地域では、これを大きく上回るお住まいも珍しくありません。
今回の計画で強く打ち出されたのは、既存の住まいをもっと流通させようという方向性です。相続した家をそのままにせず次の世代へ引き継ぐ考え方も示され、空き家が増えている地域には追い風になり得ます。
一方で、買い手が求める広さは以前ほど大きくないかもしれません。広さより、断熱や耐震の性能、手入れの状態、買い物や通院のしやすさが評価されやすくなる流れは意識しておきたいところです。
売却を考えるときに確かめたいこと
- 広さ以外の強みを言葉にする…耐震や断熱の工事歴、屋根や外壁の手入れの記録、駅やお店までの距離など。
- 書類をそろえる…登記の内容、境界を示す図面、リフォームの記録。境界がはっきりしない場合は測量が必要になることもあります。
- 契約の形を知る…仲介を依頼する媒介契約は、種類によって依頼できる会社の数や報告の頻度が変わります。
- 相場を早めにつかむ…税金や契約の扱いは所有した期間などで変わるため、判断の前に専門家への確認をおすすめします。
まずはご自宅の価値を知ることから
広さの目安がなくなっても、広いお住まいの価値が下がるわけではありません。ただ、家に求められるものが変わりつつあるのは確かです。今のご自宅がどう評価されるかを知ると、選択肢を考えやすくなります。
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