住宅ローンを返済している方にとって、金利の上昇は気になる問題です。
GMO TECHが住宅ローン返済中の1,014人を対象に実施した調査では、「毎月の返済額が増えないか不安」と回答した人が31.2%でした。また、27.8%が「すでに毎月の返済額が上がった」と回答しています。
ただし、金利が上がったからといって、すぐに売却を考える必要があるわけではありません。大切なのは、自分の住宅ローンと家計、自宅の現在価値を整理し、今後取り得る選択肢を把握することです。
1.まず住宅ローンの契約内容を確認する
変動金利を利用している方は、適用金利だけでなく「金利が上昇したとき、毎月の返済額がどう変わる契約なのか」を確認してみましょう。
変動金利・元利均等返済の商品には、金利が上昇しても返済額を5年間変更しない「5年ルール」や、返済額を見直す際に従来の125%を上限とする「125%ルール」を採用しているものがあります。
ただし、すべての商品に一律に適用される制度ではありません。全国銀行協会も「5年ルールや125%ルールといった仕組みを利用している場合」と説明しています。
また、返済額が一定期間変わらなくても、金利上昇の影響がなくなるわけではありません。利息の割合が増え、元金の返済が進みにくくなることもあります。
まずは金融機関から交付された契約書類や返済予定表を確認し、分からない点があれば借入先に問い合わせることが大切です。
2.家計だけでなく「手元資金」も確認する
返済負担が増えると、繰り上げ返済によってローン残高を減らしたいと考える方もいるでしょう。
ただし、預貯金の多くを返済に充てれば、教育費や修繕費、病気や収入減少など、予想外の支出に対応できる資金が少なくなります。
繰り上げ返済をするかどうかは、金利だけを見て判断するのではなく、今後必要になる生活資金とのバランスを考える必要があります。
全国銀行協会も金利上昇への対応として、家計の見直しや余裕資金による繰り上げ返済、固定金利への切り替えについて金融機関へ相談することなどを挙げています。
3.返済に不安があれば早めに金融機関へ相談する
住宅ローンの返済が家計を圧迫し始めた場合、「もう少し様子を見よう」と抱え込むより、借入先の金融機関へ相談することも選択肢です。
重要なのは、実際に返済が困難になってからではなく、収入や支出の変化を踏まえて今後の返済に不安を感じた段階で相談することです。
そのうえで、家計を見直す、繰り上げ返済を検討する、金利タイプについて相談する、住み替えや売却を検討するといった選択肢を比較します。
どの方法が適しているかは、ローン残高や収入、年齢、家族構成、保有資産などによって異なります。
4.自宅の「現在価値」とローン残高を比べてみる
もう一つ確認しておきたいのが、自宅の現在価値です。
例えば住宅ローン残高が2,500万円ある場合、自宅が現在どの程度で売却できそうなのかを把握しておけば、将来的な住み替えや売却を考える際の判断材料になります。
ただし、査定価格がそのまま手元に残る金額ではありません。実際の売却では仲介手数料などの諸費用がかかります。また、住宅ローンが残っている物件では、売却に伴ってローンを完済し、設定されている抵当権を抹消する手続きについても確認する必要があります。
だからこそ、返済負担が大きくなってから慌てて自宅を売るのではなく、余裕がある段階で「ローンはいくら残っているか」「自宅はいくらくらいの価値があるか」を把握しておくことに意味があります。
金利上昇局面でも、住み続ける、返済方法を見直す、住み替える、売却するといった複数の選択肢があります。
売却を決めていなくても、住宅ローンと自宅の資産価値を一度整理しておけば、環境が変化したときにも自分に合った判断をしやすくなるでしょう。
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