中古マンションを購入し、自分好みの住まいに整えるリノベーション。築年数を重ねた物件でも、設備や内装を更新することで暮らしやすさを改善できます。
ただし、「室内だから自由に変更できる」とは限りません。建物の構造や管理規約によって、希望する工事ができない場合があります。購入する方はもちろん、所有するマンションの改修や売却を考えている方も、事前に確認したいポイントを押さえておきましょう。
間取り変更は「撤去できる壁」の確認から
広いリビングをつくるために壁を取り払いたくても、その壁が建物を支えている場合は撤去できません。
マンションリフォーム推進協議会は、柱と梁で支える「ラーメン構造」と、壁で支える「壁式構造」で、間取り変更の自由度が異なると説明しています。壁式構造の構造壁は撤去できないため、希望する広さを確保できないことがあります。
築年数だけで改修の可否を判断せず、図面と現地を建築士などに確認してもらうことが大切です。
■ マンションリフォーム推進協議会「リフォームしやすい構造とは」
キッチンや浴室の移動には配管の制約がある
水回りの移動は、設備を置くスペースがあれば実現できるわけではありません。排水を流すための勾配や配管経路を確保する必要があります。共用の配管スペースなど、個人の判断では変更できない部分もあります。
床を上げて配管を通す方法を検討する場合は、完成後の天井高にも注意しましょう。キッチンでは排気ダクトの経路と梁の位置も確認が必要です。
見積もりを依頼するときは、希望する配置だけでなく、工事後の床の高さや段差まで説明してもらうと、暮らし始めてからの違和感を減らせます。
■ 積水ハウス建設「マンションリノベーションで『できること』」
床材と窓は、管理規約・細則を先に確認
土間やフローリングは見た目だけで選ばず、階下への音にも配慮が必要です。マンションによっては、使える床材や工事の手続きに制限があります。
■ できること、できないことを知りましょう | マンションリフォーム推進協議会
また、国土交通省の標準管理規約では、窓枠や窓ガラスは専有部分に含まれません。断熱性を高めたい場合も、既存サッシを自由に交換できるとは考えず、管理組合に確認しましょう。標準管理規約はひな型なので、実際の判断には各マンションの規約を確認する必要があります。
内窓の設置を検討する場合も、施工方法と必要な手続きを事前に確認しておくと安心です。
売却前のリノベーションは、費用をかける前に相談を
売却を考えている場合、大規模な改修を先に決めるより、現状のまま売る場合と改修する場合を比較してみましょう。買主が自分好みに改修したいケースもあるため、工事費を売却価格で回収できるとは限りません。
まず整理しておきたいのは、管理規約、リフォーム細則、図面、過去の工事記録です。改修の条件が分かる資料は、購入検討者が計画を立てる際にも役立ちます。
なお、標準管理規約では、共用部分や他の住戸に影響するおそれのある工事には、申請と理事会の承認が必要とされています。施工会社との契約や着工前に、管理組合へ確認しましょう。
所有するマンションを改修して住み続けるか、売却するか迷ったら、現在の価格を知ることも判断材料になります。不動産売却王の無料査定を活用し、改修費用と資産価値の両面から、これからの住まい方を考えてみてください。