これは、不動産に関する法律や税金の知識を、物語形式でわかりやすくお伝えするミニドラマです。
登場する人物や団体はフィクションであり、実在のものではありません。
―――「用途地域がない=自由、だと思っていた」―――
新米営業マンのタクヤは、今日も元気に不動産相談窓口に立っていた。
そこへやってきたのは、家族4人で新築一戸建てを夢見る佐藤さん。
「このあたり、用途地域がないって聞いたので、自由に大きな家が建てられるんですよね?」
佐藤さんの目は輝いていた。
タクヤも自信たっぷりに答えた。
「はい!用途地域の指定がないので、一般的な建築制限は緩やかです!」
──しかし、本当に「制限がない」と言い切ってよいのだろうか?
タクヤも佐藤さんも、まだ知らなかった。
用途地域がない場所にも、別のルールが存在することを――。
夢いっぱいのマイホーム計画。
順調に話が進むと思われた――そのときだった。
奥からひょっこり現れたミナミ課長が、ぼそっとつぶやいた。
「タクヤ君、そこ、地区計画があるからね。」
「えっ!?地区計画ですか!?」
慌ててタクヤは土地の情報を調べ直した。
すると、しっかりと記載されている。
この地区では、建築物の高さは10メートル以下に制限する。
タクヤの顔から血の気が引いた。
佐藤さんが希望する家は、堂々とした3階建て。高さはなんと12.5メートルにもなる設計だった。
「佐藤さん……実はこの土地、建物の高さに制限がありまして……10メートルを超える建物は建てられないんです。」
一瞬、佐藤さんの表情が固まった。
「そんな…用途地域がないなら、自由に建てられるって思ってたのに…」
タクヤもショックだった。
しかし、ミナミ課長は落ち着いてこう補足した。
「地区計画っていうのはね、都市計画法に基づいて、市町村が街並みや暮らしやすさを守るために特別に定めたルールなんだ。高さ制限はその一つ。たとえば、低層住宅地を守るために、10メートル以下に制限していることが多いんだよ。」
(※建築制限についての最終判断は、必ず専門家にご相談ください。)
タクヤはうなずき、佐藤さんにも丁寧に説明を続けた。
「たしかに制限はありますが、その分、周囲も落ち着いた住宅地になっています。2階建てにプラン変更すれば、理想に近い家は十分建てられますよ!」
佐藤さんも、少しずつ納得していった。
「そうか…じゃあ、家族みんなが快適に過ごせるプラン、もう一度一緒に考えてもらえますか?」
タクヤの胸に、ぐっと熱いものがこみ上げた。
不動産の知識だけじゃない。
お客様と一緒に考える、その姿勢こそが、本当に大切なんだと。

【注意】用途地域がないエリアにもルールがある!
今回のように、「用途地域がない=自由」と思い込んでいると、思わぬ落とし穴に出くわすことがあります。
地区計画による制限がある場合、建物の高さ・用途・敷地面積など、細かいルールが課せられているかもしれません。
もしあなたが、今マイホームや土地購入を検討しているなら――。
自分だけで調べるのは大変ですし、見落としも怖いですよね。
プロに相談することが、失敗を防ぐ近道です。
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