「親もそろそろ高齢だけど、家やお金のことはまだ先の話」。そう感じている方は多いのではないでしょうか。
実は認知症で判断能力が下がると、預金だけでなく家の売却も思うように進められなくなります。今回は、元気なうちにできる備えを整理してお伝えします。
認知症で家が「動かせなくなる」しくみ
銀行は、本人の意思が確認できなくなると、詐欺や使い込みを防ぐために口座を凍結します。たとえ子どもでも出金はできません。
不動産も同じで、売買契約には本人の意思表示が必要です。判断能力が十分でない状態では、家族が代わりに売ることはできません。
財務省の研究所で紹介された三井住友信託銀行の推計では、認知症の高齢者が持つ不動産は2020年に約80兆円、2040年には約108兆円に増えるとされています。
預金・保険・証券それぞれの備え
- (1) 預金:子どもなどを事前に代理人として登録する「予約型代理人サービス」。銀行ごとに手続きが必要で、扱いのない銀行もあります。
- (2) 保険:代わりに保険金を請求できる「指定代理請求制度」。契約の途中からでも付けられます。
- (3) 証券:家族が投資の管理を引き継ぐサービスもありますが、導入している会社はまだ限られています。
家の売却まで見据えるなら任意後見と家族信託
判断能力が下がった後に家庭裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」は、選任まで数か月かかり、専門職が就くと毎月の報酬も発生します。
一方「任意後見」は、元気なうちに信頼できる家族を後見人に指名し、公正証書で契約しておく方法です。本人の希望に沿った財産管理がしやすくなります。家の管理や売却を家族に託す「家族信託」も選択肢の一つです。どちらが合うかは、司法書士などの専門家に確認しましょう。
2028年ごろから後見のしくみが変わります
2026年6月に民法の改正法が成立し、これまで原則やめられなかった成年後見制度が、必要な期間だけ使えるしくみへ見直されます。施行は2028年ごろの予定で、具体的な時期は今後の発表で確認が必要です。
■ WAM NET
郡山市では、社会福祉協議会内の「郡山市成年後見支援センター」で制度の相談ができます。
まずは家の価値を知っておくことから
任意後見や家族信託を考えるとき、家がいくらで売れそうかを知っておくと、家族での話し合いがぐっと具体的になります。
無料査定サービス「不動産売却王」なら、物件情報を入力するだけで簡単に自動査定ができます。売るかどうかを決める前の「目安を知る」段階でも気軽に使えますので、ご家族で話すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。