「築年数が古い実家は、解体しないと売れないのでは」。相続した家や空き家を前に、こう悩む方もいるでしょう。住宅価格が高騰するなか、古い戸建てを改修し、賃貸住宅や販売用住宅として再生する取り組みが広がっています。所有者にとっても、解体を決める前に建物を生かせるか検討する意味があります。
古い家を「貸す」「売る」事業が広がる
ヤモリは、AIや独自のシステムを使って物件情報の収集・調査から購入、修繕、運営までを進め、空き家を賃貸住宅として長期活用しています。一方、カチタスは中古住宅を買い取り、リフォームして販売する事業を展開しています。
■ ヤモリ公式サイト
こうした事例から、築年数だけで住宅の使い道が決まるわけではないと考えられます。ただし、企業がまとめて資材を仕入れる場合と、個人が一軒だけ改修する場合では費用が異なります。企業の成功事例を、そのまま自分の家に当てはめないことも大切です。
空き家の数より、自分の家の需要を確認する
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%でした。ただし、この数字には入居者募集中の賃貸住宅や売却中の住宅、別荘なども含まれます。すべてが放置された家という意味ではありません。
所有する家の活用を考えるときは、全国の空き家数に加え、近隣で中古戸建てが売れているか、戸建て賃貸の借り手がいるかを確認しましょう。駅や学校までの距離、駐車場、間取りなど、実際に暮らす人の条件から需要を見極めることが出発点です。
改修や解体の前に、建物の状態を把握する
先に多額のリフォーム費用をかけても、工事費を売却価格で回収できるとは限りません。まずは現状のまま売る場合の価格と、必要な修繕の内容を確認しましょう。
■ 国土交通省「建物状況調査(インスペクション)活用の手引き」
判断材料の一つが、建築士による建物状況調査(インスペクション)です。国土交通省の手引きでは、基礎などの構造上重要な部分と、屋根・外壁など雨水の浸入を防ぐ部分を、目視や計測などで調べるものとされています。ただし、すべての不具合がないことを保証する調査ではありません。
雨漏りや過去の修繕について分かる資料があれば整理し、不動産会社へ共有しておくと相談を進めやすくなります。
仲介・買取・賃貸を、手元に残るお金で比べる
売却には、不動産会社が買主を探す「仲介」と、会社が直接買う「買取」があります。カチタスの公式案内でも、買取は売却時期を見通しやすい一方、仲介より査定額が低い可能性があると説明されています。
価格だけでなく、売れるまでの管理費用や修繕・片付けの負担も含めて比較しましょう。賃貸にする場合は、家賃収入から改修費、管理費、税金、空室期間の負担などを差し引いて考える必要があります。
古い家だからと諦めたり、再生事例を見て改修を急いだりせず、まず現状の価値と費用を整理することが大切です。「不動産売却王」の無料査定も、売却を決める前に価格の目安を知り、保有・売却・活用を比較する材料としてご利用ください。