長期固定型住宅ローン「フラット35」の金利が上昇傾向にあります。2026年2月時点で、借入期間21年以上・融資率9割以下の場合の最低金利は2%台半ばまで上昇しました。背景には、住宅金融支援機構が資金調達のために発行する住宅ローン担保証券(RMBS)の利回り上昇があります。長期国債利回りの上昇に連動し、調達コストが高まっているためです。
通常は、RMBSの発行金利よりもフラット35の貸出金利が高く設定されますが、足元では調達金利が上回る「逆ざや」の状態が指摘されています。こうした状況が続けば、将来的に貸出金利がさらに引き上げられる可能性も否定できません。
フラット35金利上昇の背景
フラット35は、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供する最長35年の固定金利ローンです。機構は民間金融機関から債権を買い取り、それを裏付けにRMBSを発行して資金を集めています。
このRMBSの発行金利は、主に10年物国債利回りに連動します。国債利回りが上昇すれば、調達コストも上がる仕組みです。近年は物価上昇や金融政策の転換を背景に長期金利が上昇傾向にあり、その影響がフラット35にも及んでいます。
住宅購入層への影響
固定金利が上昇すると、これから住宅を取得する人の返済負担は確実に重くなります。たとえば3,000万円を35年固定で借りた場合、金利が1%違うだけで総返済額は数百万円単位で変わります。
都市圏に比べて住宅価格が比較的落ち着いているエリアでも、購入者の多くは共働き世帯や子育て世帯です。教育費や生活費の上昇とあわせて考えると、住宅ローンの負担増は購入判断を慎重にさせる要因になります。
不動産市場への波及
住宅ローン金利の上昇は、購入需要の伸びを緩やかにする可能性があります。とくに新築戸建てや分譲マンションでは、毎月の返済額を基準に予算を決める方が多いため、金利上昇は実質的な「購入可能価格の引き下げ」と同じ効果を持ちます。
一方で、すでに低金利で借りている所有者にとっては、相対的に有利な立場になります。今後さらに金利が上昇すれば、過去に固定したローン条件はより価値を持つことになります。
ただし、市場全体で購入意欲が弱まると、売却に時間がかかるケースも想定されます。価格を維持できるうちに売却を検討するという判断も、選択肢のひとつとして現実味を帯びてきます。
今後想定される流れ
調達コストの上昇が続けば、フラット35の金利は段階的に引き上げられる可能性があります。民間銀行の35年固定金利が3%前後で推移している例もあり、固定金利全体の水準がじわじわと上がるシナリオは十分考えられます。
金利が上昇する局面では、
・購入希望者の資金計画が引き締まる
・売却までの期間が長期化する物件が出てくる
・築年数や立地条件による選別がより明確になる
といった流れが想定されます。
不動産は「いつ売るか」で手取り額が大きく変わる資産です。金利環境が転換期にある今は、ご自身の資産状況を一度整理し、売却という選択肢を含めて検討してみるタイミングかもしれません。
もし「今の家はいくらくらいで売れるのだろう」と感じたら、まずは相場を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
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金利が動く今だからこそ、落ち着いて情報を集め、納得できる選択をしていきたいですね。
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