住宅ローンの申込みで、「書類はこちらで用意する」「審査が通るように調整する」と言われたら、内容を慎重に確認する必要があります。住まいの購入や住み替えに関わる大きな契約だからこそ、手続きを任せきりにせず、自分の名前で何が申告されているかを把握することが大切です。
書類を偽造した住宅ローン詐欺の疑いで逮捕
提供された報道によると、警視庁は、マンション購入のための住宅ローン融資金をだまし取った疑いなどで男2人を逮捕しました。収入があるように装った書類や偽造した本人確認書類の画像を金融機関に提出し、2,340万円の融資を受けた疑いが持たれています。
警視庁は、グループによる被害総額が8億円以上に上るとみて捜査しています。現時点では捜査中の事件ですが、住宅ローンの申込内容を確認する重要性を考えるきっかけになります。
「審査を通すため」という書類の書き換えに応じない
住宅ローンでは、勤務先や収入、購入する物件、資金の使い道などを正確に申告する必要があります。
りそな銀行は、収入証明書の偽造・改ざん、預金残高の水増し、売買金額を水増しした契約書、投資目的を隠した住宅ローン申込みなどを、不正行為の例として挙げています。
例えば、実際より年収を高く記載するよう勧められたり、合意した売買価格と異なる契約書に署名を求められたりした場合は、そのまま進めないことが大切です。売主側も、買主の融資のために事実と異なる書類の作成へ協力しないようにしましょう。
名義を貸すだけでも、自分の責任になり得る
「名前だけ貸してほしい」「返済は別の人がする」と誘われても、安易に住宅ローンの申込みに応じてはいけません。自分が借主として契約すれば、相手の説明だけで金融機関への返済義務がなくなるわけではありません。
住宅金融支援機構は、フラット35の不適正利用について、残債務の一括返済を請求するとしています。また、手続きを事業者任せにしていても、虚偽の内容で融資を受ければ、申込者自身の責任が問われると注意喚起しています。刑事責任の有無は個別事情によりますが、「任せていたから大丈夫」とは考えないことが重要です。
■ 住宅金融支援機構「フラット35の不適正利用に巻き込まれないために」
契約前は、書類と説明を自分で照合する
申込みの際は、勤務先・年収・借入額・物件価格・居住予定が、事実と一致しているか確認しましょう。説明を受けていない書類や、内容が空欄の書類に署名することも避けたいところです。
SBI新生銀行も、不自然な提案や虚偽の書類提出を求められた場合は、銀行へ相談するよう案内しています。違和感があれば、紹介者だけに確認するのではなく、金融機関の公式窓口へ直接相談しましょう。
■ SBI新生銀行「住宅ローンを利用した不正行為を助長する不動産会社にご注意ください」
不動産の購入や売却では、多くの書類を扱います。契約書や申込書の控えを保管し、不明点を解消してから手続きを進めることが、大切な住まいと資産を守る基本です。