はじめに
インフレが進むと、不動産や株式などの資産価値は上昇します。
一見すると資産が増えたように感じますが、相続の場面では評価額が高くなり、相続税負担が大きくなる可能性があります。
特に相続時精算課税制度では、贈与時ではなく相続時の価値で課税されるため、贈与後の値上がり分も課税対象です。
今回は、不動産と株式の両方を例に、インフレ下での相続税対策を解説します。
インフレが相続税に与える影響
- 不動産:市場価格や公示地価の上昇に伴い、路線価も上昇 → 評価額増加
- 株式(上場):株価上昇により相続評価額も上昇(評価は相続発生日または前後3か月の平均)
- 現金:評価額は変わらないが、購買力は低下
資産種類ごとの課税タイミングは次の通りです。
| 資産区分 | 通常相続 | 相続時精算課税 | 暦年贈与 |
|---|---|---|---|
| 不動産 | 相続時評価額 | 相続時評価額(再評価) | 贈与時評価額 |
| 株式 | 相続時評価額 | 相続時評価額(再評価) | 贈与時評価額 |
| 現金 | 相続時額面 | 相続時額面 | 贈与時額面 |
インフレ時に有効な「売却→現金化→生前贈与→再購入」戦略
高インフレ局面で有効な方法のひとつが、資産を一度売却して現金化し、生前贈与した上で再び購入する流れです。
不動産の場合
- ・手順:不動産を売却 → 現金化 → 贈与 → 受贈者が不動産を購入
- ・メリット:贈与後の値上がりは相続税の対象外
- ・デメリット:譲渡所得税や仲介手数料、購入諸費用が発生
株式の場合
- ・手順:株式を売却 → 現金化 → 贈与 → 受贈者が株式を購入
- ・メリット:贈与後の株価上昇分は相続税の対象外
- ・デメリット:短期売買や同一銘柄の即買戻しは税務上の確認対象になりやすい
数値例
仮に1億円の不動産または株式が、年3%のインフレ・株高で10年後に約1億3,440万円に上昇した場合を想定します。
- ・そのまま保有:相続時評価額は1億3,440万円 → 値上がり分3,440万円にも相続税が課税
- ・売却→現金化→贈与→再購入:贈与時の1億円で評価固定 → 値上がり分3,440万円は課税対象外
注意点
- ・売買価格は時価が原則。相場を大きく下回る取引は「みなし贈与」とされるリスクあり
- ・不動産は売買諸費用が高く、株式は価格変動が激しいため、タイミングとコスト管理が重要
- ・相続時精算課税制度を選ぶと、贈与後の値上がりも課税されるため、暦年贈与の活用が有効
専門家活用の重要性
相続税・贈与税・譲渡所得税の制度は複雑で、改正も多く行われます。
不動産・株式いずれのケースも、税理士、不動産会社、証券会社、ファイナンシャルプランナーとの連携が欠かせません。
まとめ
インフレ時代の相続対策では、「値上がり益を課税対象にしない仕組みを早めに作る」ことが重要です。
不動産でも株式でも、売却→現金化→生前贈与→再購入は有効な戦略のひとつです。
まずは現時点の資産評価額を把握し、最適な方法を選びましょう。
不動産については、不動産無料査定サービス「不動産売却王」で簡単に自動査定が可能です。相続対策の第一歩として活用をおすすめします。
【免責事項】
本記事は一般的な税務・相続の知識を提供するものであり、特定の状況における節税や投資判断を保証するものではありません。実際の資産売却や贈与の実行にあたっては、必ず税理士・弁護士・不動産会社・証券会社などの専門家にご相談ください。また、税制は将来変更される可能性がありますので、最新の情報をご確認ください。
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