福島県須賀川市の2025年公示地価の動向

2025年3月に発表された、同年1月時点の福島県須賀川市の公示地価について、詳細を検証していきます。本記事では地価の動向をランキング形式で整理し、注目すべきポイントを簡潔にまとめました。

平米単価トップ5

平米単価（坪単価）のトップ5は以下の通りです。

第1位 (1) 山寺町５番外　59,100円／㎡（19万円／坪） +2.78%

第2位 (2) 中町１１番　45,200円／㎡（14万円／坪） -0.44%

第3位 (3) 弘法坦１２０番　44,400円／㎡（14万円／坪） +2.06%

第4位 (4) 新町１４６番２　38,700円／㎡（12万円／坪） +3.47%

第5位 (5) 森宿字海道西６４番１１８　38,000円／㎡（12万円／坪） +3.26%

1位は「山寺町５番外」で59,100円／㎡、前年比+2.78%。福島県全体の公示地価ランキングでも77位に位置しており、全国では10,625位です。上位地点は商業地や住宅地が混在し、市の中心部およびアクセスの良い場所が占めています。
2位の「中町」は前年比でわずかに下落しましたが、それでも45,200円／㎡という高水準を維持しており、市中心部に位置する利便性や商業地としての価値の高さが地価に反映されています。
3～5位の「弘法坦」、「新町」、「森宿」はいずれも住宅地で緩やかに上昇し、平均坪単価12〜14万円と落ち着いた人気エリアで安定感があります。

上昇率トップ5

上昇率のトップ5は以下の通りです。

第1位 (1) 森宿字辰根沢９８番３２　38,000円／㎡（12万円／坪） +5.84%

第2位 (3) 新町１４６番２　38,700円／㎡（12万円／坪） +3.47%

第3位 (5) 森宿字海道西６４番１１８　38,000円／㎡（12万円／坪） +3.26%

第4位 (2) 並木町１０９番８　34,000円／㎡（11万円／坪） +3.03%

第5位 (4) 愛宕山１１９番１１　34,100円／㎡（11万円／坪） +3.02%

上昇率トップは、工業地域にあたる「森宿辰根沢」です。この地点は昨年も市内で最も高い上昇率を記録しており、周辺の物流や産業施設への需要の高まりが反映された可能性があります。住宅地ではないものの、幹線道路沿いの立地などが地価の上昇要因と考えられます。
「新町」や「森宿海道西」も堅調で、それぞれ第1種住居地域・第1種低層住居専用地域に指定されており、静かな住環境と利便性のバランスが評価されていると考えられます。手頃な価格帯と市街地へのアクセスの良さから、住宅需要が安定している地域です。
また、「並木町」や「愛宕山」も地価が上昇しており、いずれも住居系地域に指定された落ち着いた住宅地です。生活利便施設へのアクセスの良さや、価格帯のバランスが評価され、安定した住宅需要が背景にあると考えられます。

下落率トップ5地点

下落率のトップ5は以下の通りです。

第1位 (1) 丸田町１８８番２　31,000円／㎡（10万円／坪） -1.27%

第2位 (2) 中宿４７２番　32,600円／㎡（10万円／坪） -1.21%

第3位 (3) 仁井田字東町９９番２外　9,460円／㎡（3万円／坪） -1.14%

第4位 (4) 和田字後町１１３番１　11,100円／㎡（3万円／坪） -0.89%

第5位 (5) 稲字平１番１　11,400円／㎡（3万円／坪） -0.86%

下落率トップの「丸田町188番2」は、坪単価10.25万円／坪で、平米単価順位では10位に位置しています。前年から地価が下落したものの、市内上位の価格帯を維持しており、明確な下落要因は見えにくいながらも、需給バランスの微調整が進んでいる可能性があります。県内順位は188位、全国では14,409位です。
「中宿」も同様に住宅需要の伸び悩みが反映され、市全体では堅調ながら特定エリアにおける地価分化が見られます。
「仁井田」「和田」「稲」の各地点は、いずれも郊外の住宅地で、坪単価は3万円台と市内でも低価格帯に属します。地価はそれぞれ−1%前後と小幅な下落にとどまっており、急激な変動は見られません。現時点では再開発や大規模インフラ整備の予定は確認されていませんが、周辺地域での生活利便施設の充実や交通アクセスの向上が進めば、将来的に一定の価格下支え効果が期待されるエリアです。

まとめ

須賀川市全体では、2025年の公示地価が前年比約+1.19%と4年連続で上昇しており、県内でも6位、全国856位に位置しています。
再開発が進む中心市街地や駅前エリアでは、商業地・住宅地ともに地価が緩やかに上昇しており、一定の需要が維持されています。一方で、駅からやや離れた住宅地では地価が微減するケースもあり、地域ごとのばらつきが見られます。
今後の不動産取引においては、こうしたエリアごとの傾向を把握しておくことが、売却や購入の判断に役立つでしょう。