※ 2025/09/15 加筆・修正

四方を海に囲まれ河川も多い日本では、毎年多くの場所で水害が発生しています。
特に近年はゲリラ豪雨のような異常気象も昔に比べて多く、水害に見舞われることも多くなっています。
結論から言うと、浸水した土地や建物は価値が下がる可能性が高いです。
今回はその理由や、浸水歴がある土地を売却する際の注意点を解説します。
土地の価値はどう決まる?

土地の価値は広さや立地条件をはじめとした多くの要素から決まります。
代表的なものは以下の通りです。
1.広さと形状
広ければ価値が上がる傾向がありますが、地域の需要に比べて広すぎると坪単価が下がることもあります。
2.立地条件
都心部や交通アクセスの良い土地は高く評価されます。安全性や利便性も大きな要素です。
3.周辺環境
駅や商業施設、学校、病院などが近くにあると価値が上がります。逆に墓地や騒音施設などが近いと価値が下がる傾向にあります。
4.土地の需給バランス
都心部など需要が高い地域では、条件が多少悪くても価値が下がりにくいです。
5.景気や都市計画
景気動向や再開発計画の有無によっても大きく左右されます。
例えば、新型コロナウィルスの流行があった後の2021年は商業地の地価が大きく下落し、反対にリモートワークが浸透したことによって東京近郊の住宅地の地価が上昇しました。
また、今後大規模な開発が行われるエリアに近い土地は、都市計画による利便性の向上が見込まれるため、価格が高くなる傾向にあります。
浸水と冠水の違い

前述の通り、土地の価値を左右する要素の1つとして立地条件が挙げられますが、この立地条件の中には「災害リスク」や「土地の安全性」といったことも含まれます。
災害リスクとしてよく注目されるのが水害のリスクですが、水害による被害というと土地や家屋の浸水を思い浮かべる方も多いでしょう。
「浸水」とは、何かが水に浸かることを表す言葉で、例えば大雨や洪水などで建物が水に浸かってしまった場合に「浸水」という言葉が使われます。
浸水と似た言葉に「冠水」がありますが、こちらは、洪水などによって普段は水がない土地に水が流れ込み、地面や道路などが水で覆われてしまった状態を指します。
つまり、浸水は建物に水が入り込むことで、冠水は田畑や道路などが全体的に水に浸かってしまうことを指します。
このように浸水と冠水は対象が違うほか、冠水はより広範囲が水に浸かることといったイメージの違いがあります。
水害リスクの中でも「浸水」と「冠水」は混同されがちです。
| 用語 | 意味 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 浸水 | 建物に水が入り込むこと | 家・建物 |
| 冠水 | 道路や田畑などが水に覆われること | 地面・道路 |
浸水が起こった建物や土地は価値が下がる?
建物の場合

建物が浸水被害に遭うと、その建物や土地の価値には多かれ少なかれマイナスの影響が及んでしまいます。
例えば木造一軒家が浸水被害に遭うと、木材が過剰に水分を吸収し、反りやたわみを引き起こしてしまいます。
それによって床がギシギシと鳴るようになったり、建具の開閉ができなくなったりといった問題が出てくる場合もあるため、資産価値には少なからず影響してしまいます。
土地の場合
土地の場合は建物と異なり、直接ダメージが及ぶことは基本的にありませんが、「浸水被害があった」という事実によって、地価にマイナスの影響が出てしまう場合があります。
誰しもがせっかく購入した土地や建物で浸水の被害には遭いたくないため、そのような災害リスクの高い土地、とりわけ実際に被害を受けた土地となると、どうしても他の土地に比べて買い手が見つかりにくくなる可能性が高くなってしまうのです。
現在の法律で義務付けられていること

これまで水害で多くの命が失われたり建物が被害に遭ったりしてきたことから、2020年8月の法改正により、不動産取引の際には 水害ハザードマップで対象物件の所在地を説明することが義務付けられました。
これは買主にとって安心できる仕組みであり、売主にとっても後のトラブルを防ぐメリットがあります。
浸水があった土地を売る際のポイント
実際に浸水の被害にあった土地を売る際には、以下の2つのポイントに注意する必要があります。
説明義務をきちんと果たす

不動産の売買を行う際には、売主は買主に不測の損害を与えないように、水害による被害が生じた事実を事前に説明する義務を負います。
不動産の購入を検討する際には、買主は価格や利便性だけでなく、災害リスクをはじめとしたさまざまなリスクについても検討を行います。
そこで、売主は買主に対して判断材料となる情報を渡す必要があるのです。
売主が買主に対して説明義務を怠ると、買主から訴訟を起こされた際に裁判で不利になるため、説明義務をおろそかにしないことが重要です。
契約不適合責任について知っておく

契約不適合責任とは、「契約内容と異なる不動産を引き渡した場合に売主が負う責任」 です。
こうした契約不適合責任が定められている以上、不動産の売主は買主に対して、不動産の状態をきちんと嘘偽りなく伝える必要があるのです。
水害リスクについては、取引時にきちんと説明していれば、後から浸水被害が起きても売主が責任を問われるケースは多くありません。
浸水は土地そのものの瑕疵ではなく、周辺環境や排水設備など外部要因に左右されるためです。

そもそも、浸水が起こるかどうかはその土地だけの問題ではなく、一般的な場所の特性や周辺の開発状況、道路の排水設備など、土地以外の要因も大きく関わっています。
また、土地の性質は恒久的に続くものではなく、年月の経過によって問題が解消されたり、新たな問題が生じたりする場合もあります。
そうしたことから、浸水被害に関しては、取引時にきちんと説明を行なっていれば、契約不適合責任についてそれほど心配する必要はないと言えるでしょう。
売却を成功させるための工夫
浸水歴がある土地でも、工夫次第で売却の可能性を高められます。
- ・不動産会社や買取業者に相談する
- ・駐車場や資材置き場など、住宅以外の活用方法を提案する
- ・リフォームや補修を行い、建物の不安を減らす
まとめ

土地や建物の価値は立地や周辺環境に加え、災害リスクにも大きく左右されます。
近年は法律で説明義務も定められ、買主が安心して取引できる環境が整っています。
浸水歴がある土地でも、説明を誠実に行い、適切な方法で売却を進めることが大切です。
まずは信頼できる不動産会社に相談してみましょう。
「不動産売却王」は、物件情報を入力するだけで自動査定が受けられる無料サービスです。難しい手続きは不要で、スマホからでもかんたんに使えます。査定を受けたからといって、売却を急ぐ必要はまったくありません。