※ 2026.9.17 加筆・修正

四方を海に囲まれ河川も多い日本では、毎年多くの場所で水害が発生しています。
近年は、短時間に大量の雨が降る大雨などによって、各地で浸水や洪水などの被害が発生しています。
結論から言うと、浸水した土地や建物は価値が下がる可能性が高いです。
今回はその理由や、浸水歴がある土地を売却する際の注意点を解説します。
土地の価値はどう決まる?

土地の価値は広さや立地条件をはじめとした多くの要素から決まります。
代表的なものは以下の通りです。
1.広さと形状
広ければ価値が上がる傾向がありますが、地域の需要に比べて広すぎると坪単価が下がることもあります。
2.立地条件
都心部や交通アクセスの良い土地は高く評価されます。安全性や利便性も大きな要素です。
3.周辺環境
駅や商業施設、学校、病院などへのアクセスの良さは、土地の評価に影響する要素の1つです。一方、騒音や周辺施設の状況などが土地の評価に影響する場合もあります。
4.土地の需給バランス
土地を購入したい人が多い地域では、需要が少ない地域と比べて価格が維持されやすい傾向があります。ただし、土地の条件や市場動向などによって価格は変動します。
5.景気や都市計画
景気動向や再開発計画の有無によっても大きく左右されます。
例えば、景気や社会情勢の変化は、不動産需要や地価に影響を与えることがあります。また、再開発や交通インフラの整備などによって地域の利便性が向上すると、土地の評価に影響する場合があります。
また、再開発や交通インフラの整備などによって利便性が向上すると、不動産需要が変化し、土地の価格に影響する場合があります。
浸水と冠水の違い

前述の通り、土地の価値を左右する要素の1つとして立地条件が挙げられますが、この立地条件には「災害リスク」や「土地の安全性」も含まれます。
災害リスクの中でも特に身近なものの1つが水害です。水害に関する言葉として「浸水」と「冠水」がありますが、この2つは混同されることもあります。
「浸水」は水が入り込んだり、水につかったりすることを表す言葉で、住宅については「床上浸水」「床下浸水」などと使われます。一方、「冠水」は道路や田畑など、普段は水のない場所が水で覆われた状態を表す際に使われます。
| 用語 | 意味・主な使われ方 |
|---|---|
| 浸水 | 水が入り込んだり、水につかったりすること。住宅では「床上浸水」「床下浸水」などと使われる |
| 冠水 | 道路や田畑など、普段は水のない場所が水で覆われた状態 |
浸水が起こった建物や土地は価値が下がる?
建物の場合

建物が浸水被害に遭うと、その建物や土地の価値には多かれ少なかれマイナスの影響が及んでしまいます。
例えば木造一軒家が浸水被害に遭うと、木材が過剰に水分を吸収し、反りやたわみを引き起こしてしまいます。
それによって床がギシギシと鳴るようになったり、建具の開閉ができなくなったりといった問題が出てくる場合もあるため、資産価値には少なからず影響してしまいます。
土地の場合
土地の場合、建物のように床や壁などが直接被害を受けるわけではありませんが、水害によって地盤や擁壁などに影響が生じる可能性もあります。
また、過去の浸水歴や将来の水害リスクは、買主が土地を購入する際の判断材料の1つとなります。そのため、浸水歴のある土地や水害リスクが高いと考えられる土地では、売却価格や売れやすさに影響する場合があります。
現在の法律で義務付けられていること

2020年8月28日から、宅地建物取引業者が行う重要事項説明において、水防法に基づいて作成された水害ハザードマップを提示し、取引対象となる物件のおおむねの位置を示すことが義務付けられています。
これにより、買主は物件の水害リスクに関する情報を確認し、購入を判断する際の参考にすることができます。
浸水があった土地を売る際のポイント
実際に浸水の被害にあった土地を売る際には、以下の2つのポイントに注意する必要があります。
説明義務をきちんと果たす

過去に浸水被害を受けた不動産を売却する場合、その事実が買主の購入判断や契約内容に影響する可能性があります。買主は価格や利便性だけでなく、水害をはじめとした災害リスクなども考慮して購入を検討するためです。
浸水歴など、買主の判断に影響する可能性のある情報を適切に伝えないまま売買すると、引き渡し後のトラブルにつながる可能性があります。そのため、過去に浸水被害を受けた物件を売却する場合は、浸水歴や現在の物件の状態について、どのような情報を買主に伝えるべきか、不動産会社などの専門家に確認しておくことが大切です。
契約不適合責任について知っておく

契約不適合責任とは、売買によって引き渡された不動産が、種類・品質・数量について契約の内容に適合していない場合に、売主が負う可能性のある責任です。物件の状態や契約内容などによっては、買主から修補などの追完や代金減額、損害賠償、契約解除を求められる場合があります。
水害リスクや過去の浸水被害が売買後の責任にどのように影響するかは、契約内容や物件の状態、売主が買主に伝えた内容など、個別の事情によって異なります。

また、浸水の発生には、その土地の地形だけでなく、周辺の開発状況や河川、道路の排水設備など、さまざまな要因が関係します。河川改修や排水設備の整備などによって、周辺の水害リスクが変化する場合もあります。
そのため、過去に浸水被害を受けた物件を売却する場合は、不動産会社などの専門家に相談しながら、物件の状態や浸水歴について適切に情報を伝えることが大切です。
売却を成功させるための工夫
浸水歴がある土地でも、工夫次第で売却の可能性を高められます。
- ・不動産会社や買取業者に相談する
- ・駐車場や資材置き場など、住宅以外の活用方法を提案する
- ・リフォームや補修を行い、建物の不安を減らす
まとめ

土地や建物の価値は立地や周辺環境に加え、災害リスクにも大きく左右されます。
近年は法律で説明義務も定められ、買主が安心して取引できる環境が整っています。
浸水歴がある土地でも、説明を誠実に行い、適切な方法で売却を進めることが大切です。
まずは信頼できる不動産会社に相談してみましょう。