分譲マンションを所有していると、避けて通れないのが「管理組合」です。
管理組合は区分所有者によって構成され、共用部分の維持管理や管理規約の整備、長期修繕計画の作成、管理費・修繕積立金の管理などを担っています。
ところが近年、マンションと居住者の「二つの老い」が進み、理事のなり手不足が課題になっています。
これは単なるマンション内の運営問題ではありません。将来的にマンションを売却するときにも、管理状況は確認しておきたい重要なポイントです。
古いマンションほど居住者の高齢化も進む
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」では、マンションに住む世帯主のうち70歳以上の割合は25.9%でした。
国土交通省「令和5年度マンション総合調査」
さらに、1984年以前に完成したマンションでは55.9%に達しています。
建物が古くなれば修繕の必要性が高まる一方、所有者側でも高齢化が進むため、理事会活動を担える人が少なくなることが考えられます。
マンション管理では、管理会社に多くの業務を委託していても、修繕工事や管理費、修繕積立金など重要な事項について区分所有者側で判断しなければならない場面があります。
そのため、理事のなり手不足が続くマンションでは「今後、誰が管理を担っていくのか」という問題がより重要になります。
広がる「第三者管理」という選択肢
こうした状況を背景に注目されているのが、マンション管理士や管理会社など外部の第三者を管理者として活用する方式です。
国土交通省も、役員の担い手不足などを背景として、管理会社が管理事務だけでなく管理者として選任される事例が出てきているとしています。
ただし、第三者に任せればすべて解決するわけではありません。
管理会社が管理者も兼ねる場合には、管理組合との利益相反やコスト増加などに注意する必要があります。国土交通省は2024年に外部管理者方式についてのガイドラインを策定し、2026年4月にも改訂しています。
国土交通省「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドラインの改訂」
重要なのは「誰かに任せること」ではなく、区分所有者が内容を理解し、適切に監督できる仕組みをつくることです。
修繕積立金もマンション管理の重要なポイント
マンション所有者にとってもう一つ確認したいのが、修繕積立金です。
国土交通省の調査では、長期修繕計画上必要となる積立額に対して、現在の修繕積立金が不足していると回答したマンションは36.6%でした。
修繕積立金が不足すれば、将来、積立額の引き上げや一時金の負担などが検討される可能性があります。
マンションを所有している方は、毎月いくら支払っているかだけでなく、「長期修繕計画は定期的に見直されているか」「計画に対して積立金は十分なのか」といった点も確認しておきたいところです。
マンション売却では「部屋」だけでなく「管理」も確認される
マンションを売却するときは、室内の広さや設備、眺望、駅からの距離などに目が向きがちです。
しかしマンションは、一戸の専有部分だけで完結する不動産ではありません。
共用部分の状態や大規模修繕の計画、修繕積立金、管理費、管理規約など、マンション全体の管理状況も重要です。
国では、適切な管理計画を持つマンションを地方公共団体が認定する「管理計画認定制度」も設けています。2027年度からは制度が拡充される予定で、マンションを長く適切に管理する重要性はさらに高まっています。
国土交通省「マンション管理計画認定制度」
所有しているマンションについて「最近、理事のなり手がいない」「修繕積立金が値上がりした」「築年数がかなり経ってきた」という場合には、管理組合から届く総会資料や長期修繕計画を改めて確認してみましょう。
そして将来的な売却や住み替えを考えているなら、管理状況とあわせて現在の資産価値を把握しておくのも一つの方法です。
査定は売却を決めてから行うものとは限りません。現在の価値を知り、「このまま所有する」「住み続ける」「貸す」「売却する」といった選択肢を比較するための材料として活用できます。
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