自宅や実家のリフォームを考えるとき、工事の内容や価格に加えて確認したいのが、依頼先が工事を続けられなくなった場合への備えです。
建設業の倒産・廃業が増えるなか、住宅所有者はどのような点に気を付ければよいのでしょうか。契約前の確認事項と、混同しやすい保証制度について紹介します。
建設業の撤退増加は、住宅所有者にも身近な問題
帝国データバンクの調査によると、2026年1~6月の建設業の倒産は前年同期比約6%増の1,043件でした。休廃業・解散を合わせた撤退件数は5,937件となり、2000年以降で最多となっています。
背景には建築資材の高騰などがあります。ただし、休廃業・解散と倒産は同じではなく、この数字だけで個々の工務店の経営状態を判断することはできません。
住宅所有者にとって大切なのは、ニュースをきっかけに、工事が中断した場合の費用負担や相談先を確認しておくことです。
契約前は「総額」と「支払う時期」を確認する
見積書を受け取ったら、金額だけでなく、工事範囲、材料・設備の仕様、着工日と完成予定日を確認しましょう。追加工事が必要になった場合の費用や承認方法も、書面に残しておきたい項目です。
特に注意したいのが支払い条件です。契約時・工事途中・完成時に、それぞれいくら支払うのかを把握してください。TOTOの契約解説でも、支払いの配分や期限、契約金額に含まれる工事範囲の確認が案内されています。
工事の進み具合に比べて前払いが大きい場合は、理由を尋ね、分割払いなどを相談しましょう。支払済みの代金があっても、倒産時に全額が戻るとは限らないためです。
「瑕疵保険」と「完成保証」は役割が違う
リフォーム瑕疵(かし)保険は、工事の欠陥に備える保険です。国土交通省によると、対象となる欠陥が見つかった場合に補修費用等が支払われ、施工業者が倒産している場合は発注者が保険金を受け取れる仕組みです。加入を希望する場合は、登録事業者へ依頼する必要があります。
ただし、瑕疵保険に加入しているからといって、工事途中の倒産で完成まで保証されるわけではありません。
工事中断への備えとしては、別に「完成保証」があります。例えば住宅あんしん保証の制度は、注文住宅の工事が倒産等で継続できなくなった際、前払金や引継ぎで生じる追加費用を、保証限度額の範囲で補償するものです。
リフォームにも利用できるかは制度や工事内容によって異なります。契約前に、自分の工事が対象か、何がいくらまで補償されるかを確認しましょう。
大きな工事を決める前に、住まいの今後も整理する
見積書の内容が分からない場合は、住まいるダイヤルの「リフォーム見積チェックサービス」を利用できます。契約前・着工前の住宅リフォームの見積書を対象とした無料サービスで、利用条件があります。
自宅や実家に大きな費用をかける前には、今後どれくらい使う予定かも整理しておきましょう。修繕して住み続ける場合の費用と、現在の状態で売却する場合の価格を把握すると、判断材料が増えます。
不動産売却王の無料査定も、住まいの現在の価値を知り、保有や売却を比較するために活用できます。工事費と資産価値の両面から、無理のない選択を考えてみてください。