これは、不動産に関する法律や税金の知識を、物語形式でわかりやすくお伝えするミニドラマです。
登場する人物や団体はフィクションであり、実在のものではありません。
ある春の日、都内のとある設計事務所に勤める建築士・佐藤健太さん(35歳)は、クライアントから新築住宅の設計を依頼されたばかりだった。場所は人気エリア。商業施設も近く、資産価値も高い。
「ふむ、防火地域と準防火地域の境界にかかってる土地か…。でもまあ、厳しい方に合わせるとコストもかかるし、全部準防火地域として設計すれば問題ないでしょ」
そう判断した佐藤さんは、少しでも工事費用を抑えようと、全体を「準防火地域」として設計を進めていった。建築確認申請も目前──そんな矢先、予想外の事態が起こる。
ある日、役所の建築審査課にて──
「こちらの設計ですが、一部の敷地が防火地域に該当していますよね?」
「はい、でも半分以上が準防火地域ですし、そこまで厳しくしなくても…」
「申し訳ありませんが、このままでは建築基準法に適合しません。敷地の一部が防火地域にかかっている場合、その区域内に建つ建築物については防火地域の規定が適用されます。つまり、区域ごとの法的要件を個別に満たす必要があるのです」
「えっ……」
佐藤さんの顔は一瞬で青ざめた。今から設計を変更するとなると、納期が遅れ、クライアントとの信頼関係にもひびが入る。焦った佐藤さんは事務所に戻ると、徹夜で設計の修正作業を開始した。

設計の再提出、そして…
数日後、修正された設計は無事に審査を通過。ホッと胸をなで下ろしながらも、佐藤さんはこう語った。
「法律の細かい部分を甘く見た代償は大きかったですね…。今回は設計段階で気づけたからよかったものの、もし施工に入っていたらと思うと、ゾッとします」
防火地域・準防火地域の違いとは?
このケースのように、「防火地域と準防火地域にまたがる土地」では、それぞれの区域ごとに建築基準法上の規定が異なります。
防火地域では
耐火建築物の義務があり、木造建築は原則として建てられません。防火性能の高い構造が求められます。
準防火地域では
建物の規模や用途に応じて、準耐火構造や防火構造の指定を受ける必要がありますが、防火地域よりも基準は緩やかです。
「敷地全体を準防火地域の基準で設計すれば大丈夫」と思ってしまうと、違法となる可能性があり、工事中止・設計やり直しといった大きなトラブルにつながりかねません。
不動産売却でも同じく要注意!
建築計画だけでなく、不動産を「売却」しようとする場合にも、地域指定や法令上の制限は価格に大きく影響します。
「この土地ってどんな指定がされてるの?」「いくらぐらいで売れるの?」といった疑問が浮かんだら、まずはプロに相談することが大切です。
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※不動産の売却は一生に何度もあることではありません。だからこそ、正確な情報と専門家のサポートが欠かせません。
最後に
建築も売却も、初期の判断がすべてを左右します。法律や地域指定を甘く見ず、必ず専門家の助言を受けて進めましょう。それが、あなたの大切な資産を守る一番の近道です。
※この記事は一般的な情報をもとに執筆しています。最終的な判断は、必ず建築士・不動産業者・行政機関などの専門家の指示を仰いでください。