これは、不動産に関する法律や税金の知識を、物語形式でわかりやすくお伝えするミニドラマです。
登場する人物や団体はフィクションであり、実在のものではありません。
「ねぇ、お父さん。あの古いマンション、どうなるのかな?」
娘のさりながふと聞いてきたのは、近所の古びたマンションを見上げた時だった。築50年はゆうに超えるであろうその建物は、外壁がひび割れ、エントランスのタイルは剥がれ落ちていた。

「そうだなぁ…。実は最近、『マンション建替え円滑化法』っていう法律が改正されたんだよ。」
僕はニュースで見たばかりの話を思い出しながら、さりなが分かりやすいように説明を始めた。
「今、日本にはたくさんの古いマンションがあってね。建て替えたいけど、お金や住民の合意が足りなくてなかなか進まないんだ。でも、今回の法律改正で、マンションを建て替えたり、売却したりするために必要な住民の賛成割合が少し減ったんだよ。例えば、これまで建て替えには全体の5分の4以上の賛成が必要だったのが、4分の3で良くなるんだ。」
「それなら、建て替えやすくなるの?」
「理屈ではそうなんだけどね…。実際は建て替えには一人あたり2000万円くらいかかることもあるんだ。もちろんこれは一例で、建物の規模や場所によって変わるけどね。年金暮らしのおじいちゃんおばあちゃんにとっては大きな負担だよね。だから、そう簡単にはいかないんだ。」
「じゃあ、どうするの?」
「実は、今回の法律改正では、建て替え以外の選択肢も考えられるようになったんだよ。例えば、マンションを丸ごと売却して、そのお金をみんなで分け合う方法とか、外側の柱や梁を残して中だけ新しくする『一棟リノベーション』っていう方法もあるんだ。」
「へぇ、いろんなやり方があるんだね!」
さりなが少し安心したように笑った。
「そうだね。でも、一番大事なのはね、自分たちのマンションのことにちゃんと関心を持って、住民みんなで話し合うことなんだ。法律が変わっても、結局は住んでいる人たちがどうしたいかを決める必要があるからね。それに、管理組合の集まりに参加して、意見を伝えることもとても大事なんだよ。」
「ふーん…。でも、お父さん、そのマンション、これからどうなると思う?」
さりながまた不安そうに聞いてきた。僕はしばらく黙った後、こう答えた。
「それはね、やっぱり住んでいる人たちが決めることなんだよ。でも、どの道を選ぶにしても、ちゃんと話し合って、必要なら修繕したり、建て替えたり、売却したり…。いろんな道があるって知っておくことが大事なんだ。
それに、もしマンションを売却するなら、まずは今の価値を知ることが大事だよ。『不動産売却王』みたいな無料で査定できるサイトを利用するのも一つの方法だね。他にも同じようなサービスはあるから、いくつか調べてみてもいいと思うよ。」
「そうなんだ!じゃあ、もしこのマンションも売ることになったら、そのサイトで調べてみたらいいんだね!」
さりなの目がキラキラ輝いていた。僕はその笑顔を見ながら、古びたマンションを見上げた。
これからどうなるかは分からないけれど、大事なのはみんなで考え、動き出すこと。そして、法律や制度のことも知っておくことだと、改めて思ったのだった。