これは、不動産に関する法律や税金の知識を、物語形式でわかりやすくお伝えするミニドラマです。
登場する人物や団体はフィクションであり、実在のものではありません。
「最近、家を買うなんて夢のまた夢だよね」
ある晩、会社帰りに立ち寄ったカフェで、30代の会社員・高橋さんがため息まじりにつぶやいた。
スマホに映し出されたニュースの見出しには、「新築マンション、平均価格6000万円超え」の文字が並んでいる。
「このままじゃ一生、賃貸暮らしだな。給料もそんなに上がらないし…」
そんな高橋さんの言葉に、隣に座っていた友人の佐藤さんがコーヒーを一口飲んでから静かに口を開いた。
「高橋、それって、思い込みかもしれないよ」

ニュースの「平均価格」がすべてではない
佐藤さんは大学で経済学を学び、現在は不動産関連の調査会社で働いている。数字に強く、いつも冷静な視点を持っている人物だ。
「もちろん都心のマンション価格は高騰してる。でも、それって実は“ごく一部のエリア”の話なんだ」
「え?でもニュースでは“全国平均”って言ってたけど?」
「そこにちょっとした罠があるんだよ」
佐藤さんは小さく笑いながら、スマホで不動産価格の資料を開いて見せた。
一部の高級物件が「平均価格」を押し上げている
「新築マンションの平均価格が上がっているのは確か。ただし、“平均”には超高額なタワーマンションや富裕層・外国人投資家向けの物件も含まれている。つまり、価格が極端に高い物件が全体の数字を引き上げてるんだ」
「なるほど…。じゃあ、実際には“庶民向けの価格帯”はそこまで上がってない?」
「そういうこと。しかも“平均”よりも、“中央値”で見る方が実態に近い場合もあるんだ。平均は一部の高価格帯に引っ張られやすいからね」
都心は高騰、郊外や地方は「横ばい〜下落」
「テレビでは全国的にバブルみたいな報道だったけど…」
「実際は、東京23区の一部や大阪・名古屋の中心部では確かに価格が高騰してる。でも、郊外や地方、さらには戸建て住宅では、むしろ横ばいか下落している地域も多いよ」
佐藤さんはスマホを高橋さんに見せながら続けた。
「たとえば、国土交通省が公表している2024年の不動産価格指数によると、全国の戸建て住宅価格はインフレ調整後ではほとんど変わっていないし、東京都内の戸建て価格も一部では下落傾向なんだ」
今が「買い時」かどうかは人それぞれ
「じゃあ、郊外や地方の住宅なら、今でも手が届く可能性があるってことか」
「うん、ただし焦る必要はない。というのも、日本は今後、本格的な人口減少社会に突入する。高齢化も進んで住宅需要は徐々に減っていくから、価格は将来的に下がる可能性が高いと言われてるんだ」
「でも、それでも今のうちに買っておいた方が得じゃないの?また上がるかもしれないし…」
「その考えも一理あるけど、不動産は“持っているだけでコストがかかる”んだよ。ローンの利息、固定資産税、管理費や修繕費…。購入後の負担も含めて考えないと、“価格が上がるか下がるか”だけで判断すると失敗するかもしれない」
自分の資産に、まだ気づいていない「価値」があるかも
「なんかさ、ニュースに煽られてたかもな…。ちゃんと落ち着いて考えなきゃだな」
“自分の資産の価値を見直してみようかな…”
そんな気持ちが芽生えた高橋さんは、その夜、自宅に帰ってから「不動産売却王」と検索してみた。
地方にある実家の価値が今どうなっているのか、ふと気になったのだ。
調べてみると、「不動産売却王」はオンライン上で簡単に査定ができるうえ、必要に応じて不動産会社が売却までサポートしてくれるという。
「売却っていう選択肢もあるのか。まずは情報を知ることからだな」
情報に振り回されず、「冷静な判断」を
不動産に関する情報は、ニュースや数字だけでは本質が見えないことも多い。
一見「高騰している」ように見える価格の裏には、地域差や統計のトリックが隠れている。
だからこそ、自分の立ち位置に合った情報を集め、冷静に判断することが何よりも大切だ。
あなたの資産にも、まだ気づいていない価値が眠っているかもしれません。
まずは信頼できる情報から、気軽に確認してみてはいかがでしょうか。