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不動産売却と税金計算!一時所得と譲渡所得の違いを解説

不動産を売却して利益が出た場合、その利益には税金がかかることがあります。
ただし、売却代金のすべてに税金がかかるわけではなく、購入時にかかった費用や売却時の費用などを差し引いて税額を計算します。

また、不動産の売却による利益は、原則として「一時所得」ではなく「譲渡所得」に分類されます。所有期間や売却する不動産の種類によって税率や利用できる特例も異なるため、あらかじめ仕組みを理解しておくことが大切です。

今回は、不動産売却における譲渡所得の計算方法や一時所得との違い、マイホームを売却した際に利用できる特例などについて、具体例を交えながら分かりやすく解説します。

不動産売却と税金計算方法

譲渡所得の計算方法

不動産売却によって得られる利益を譲渡所得といいます。
譲渡所得の計算は、以下の式で行います。

譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額(該当する場合)= 課税譲渡所得金額

譲渡所得の計算例

実際に数字を当てはめてみます。

例)3,500万円で売却したマイホーム(取得費2,000万円・譲渡費用300万円)

①まず、利益(譲渡益)を計算します。
3,500万円 -(2,000万円 + 300万円)= 1,200万円

②3,000万円の特別控除が使える場合、この1,200万円から控除します。
1,200万円 - 1,200万円 = 課税譲渡所得 0円

特別控除は最高3,000万円ですが、差し引けるのは利益の金額までです。この例では利益が1,200万円のため、控除できるのも1,200万円までとなり、残りの1,800万円分を他の所得から差し引いたり、翌年に繰り越したりすることはできません。

なお、利益が3,000万円を超える場合は、超えた部分に税金がかかります。たとえば譲渡益が4,000万円であれば、4,000万円 - 3,000万円 = 1,000万円が課税対象です。

※この例では説明を簡単にするため、土地のみの売却として計算しています。建物が含まれる場合は、購入価格から減価償却費相当額を差し引いた金額が取得費となるため、実際の取得費は購入価格より小さくなります。

⚠️ 税金が0円でも確定申告は必要です
3,000万円の特別控除は、確定申告をして初めて適用される制度です。控除の結果として納める税金が0円になる場合でも、申告をしなければ特例は使えません。売却した翌年の2月16日から3月15日までに、忘れずに申告してください。

譲渡価額とは、不動産を売却した際に受け取った金額です。

取得費には、購入代金のほか、仲介手数料や登録費用、一定の設備費・改良費などが含まれます。

建物の場合は、減価償却費相当額を控除します。
取得費が不明な場合や非常に少ない場合には、譲渡価額の5%を取得費として計算することができます(概算取得費)。

譲渡費用は、売却するために直接かかった費用です。仲介手数料、売買契約書の印紙税、測量費、借家人に支払った立退料、土地を売るために建物を取り壊した場合の解体費用などが含まれます。一方、修繕費や固定資産税など、不動産を維持管理するための費用は譲渡費用には含まれません。

最後に、マイホーム売却など、特定の条件を満たす場合は、特別控除が適用される場合があります。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い

譲渡所得は、所有期間によって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分かれます。

ここで注意したいのが、判定の基準日です。所有期間は売却した日ではなく、売却した年の1月1日時点で数えます。

【例】2021年3月に購入した不動産を、2026年6月に売却した場合
・実際の所有期間:約5年3か月
・2026年1月1日時点の所有期間:4年9か月 → 短期譲渡所得

このように、取得日から5年を超えていても短期扱いになることがあります。合計税率は長期20.315%に対して短期39.63%と2倍近い差があるため、5年前後で売却を検討している場合は、引渡し時期を含めて確認しておくことをおすすめします。

なお、相続や贈与で取得した不動産は、前の所有者(被相続人など)の取得時期と取得費をそのまま引き継ぎます。相続した日から数えるわけではないため、親が長く所有していた実家であれば、相続直後の売却でも長期譲渡所得となるのが一般的です。

マイホーム売却の特例

マイホームを売却する際には、一定の要件を満たすことで、税負担を軽減できる特例が適用される場合があります。
代表的なものとして、3,000万円の特別控除、所有期間10年超の軽減税率、特定の居住用財産の買換え特例などがあります。

3,000万円の特別控除は、マイホームを売却したときの譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。所有期間の長短にかかわらず、一定の要件を満たせば利用できます。

また、所有期間10年超の軽減税率は、一定の要件を満たすマイホームを売却した場合に、通常の長期譲渡所得よりも低い税率が適用される制度です。
主な適用要件には、以下のようなものがあります。

・自分が住んでいるマイホーム、または住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する家屋であること
・売却した年の1月1日時点で、売却する家屋や敷地の所有期間が10年を超えていること
・売却した年の前年および前々年に、この軽減税率の特例を受けていないこと
・親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却ではないこと

これらの要件を満たすと、課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下の部分には「所得税10%+住民税4%」、6,000万円を超える部分には「所得税15%+住民税5%」の税率が適用されます。なお、所得税には復興特別所得税が別途加算されます。

さらに、一定の要件を満たしてマイホームを買い換えた場合には、「特定の居住用財産の買換え特例」を利用できることがあります。この特例は、譲渡益に対する税金が免除される制度ではなく、買い換えたマイホームを将来売却するときまで課税を繰り延べる制度です。

この特例を利用するためには、売却したマイホームの居住期間が10年以上で、売却した年の1月1日時点における所有期間が10年を超えていることなど、一定の要件を満たす必要があります。また、買換えについても、原則として売却した年の前年から翌年までの3年間に行うことなどの条件があります。

マイホーム売却に利用できる特例は、それぞれ適用条件や併用できる制度が異なるため、売却前に利用できる制度を確認しておくことが大切です。

税率の計算と軽減税率

税率は、長期譲渡所得と短期譲渡所得で異なります。
また、マイホーム売却の場合は、上記で説明した軽減税率が適用される可能性があります。
具体的には、長期譲渡所得の場合、所得税15%、住民税5%、短期譲渡所得の場合、所得税30%、住民税9%です。

マイホーム売却で軽減税率が適用される場合は、売却した年の1月1日時点の所有期間が10年を超えている場合は、6,000万円までは所得税10%、住民税%、6,000万円を超える部分は所得税15%、住民税5%となります。

一時所得と譲渡所得の違い

一時所得の定義と税率

一時所得とは、臨時的な収入で、継続的な収入ではないものを指します。

懸賞金や福引の賞金、生命保険の一時金(一定の場合)などが該当します。

一時所得の課税方法は、「(収入-必要経費-特別控除50万円)」の半分の金額を他の所得と合算して総合課税します。

譲渡所得との違いと比較

不動産売却による収入は、一時所得ではなく譲渡所得として扱われます。
譲渡所得は、売却益から取得費と譲渡費用を差し引いた金額に課税されます。
一方、一時所得には50万円の特別控除があり、その上で課税対象額が「1/2」にされます。
一見すると有利に見えるかもしれませんが、不動産売却は「譲渡所得」に該当するため、一時所得として申告することはできません。

不動産売却における税金区分

不動産売却は、譲渡所得に分類されます。
譲渡所得は、他の所得と区分して計算され、分離課税となります。

節税対策のポイント

不動産売却で節税を考える際は、取得費や譲渡費用を正確に計算し、マイホーム売却の特例が使えるか確認することが大切です。
条件の確認や申告の手続きは複雑なため、最終的な判断は必ず税理士など専門家に相談しましょう。

まとめ

不動産を売却して得た利益は、一時所得ではなく譲渡所得として扱われ、ほかの所得とは分けて計算する分離課税の対象となります。

押さえておきたいポイントは次の5つです。

  1. (1) 税金がかかるのは売却代金全額ではなく、そこから取得費と譲渡費用を差し引いた利益部分
  2. (2) 所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定し、5年を境に税率が大きく変わる
  3. (3) マイホームの売却なら、3,000万円の特別控除をはじめとする特例が使える可能性がある
  4. (4) 特例の適用には、税額が0円になる場合でも確定申告が必要
  5. (5) 相続した不動産は、取得費と取得時期を前の所有者から引き継ぐ

取得費の計算や特例の要件は細かく、購入時の資料が残っていないケースも少なくありません。売却を決める前に、おおよその税額を把握しておくと、手元に残る金額が見通せて資金計画も立てやすくなります。

なお、税制は改正が行われることがあり、特例のなかには適用期限が定められているものもあります。実際に売却を進める際は、国税庁の公式サイトで最新の内容を確認するか、税理士へご相談ください。

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