マンション価格が上がるなか、築年数が古い物件を選ぶ人が増えています。購入後にリノベーションで住まいを整える前提で探す方も多く、売る側にとっても気になる動きですよね。今回は、築古マンションの「リノベできない盲点」を、売却の視点から見ていきます。
築古マンションが選ばれる背景
東日本レインズの統計によると、2025年度の首都圏中古マンションの成約件数は49,314件で、前年度から24.1%増え、過去最高となりました。価格の割安感から、築40年や50年といった物件を探す方も少なくありません。
■ 東日本レインズ(2025年度の首都圏中古マンション成約件数)
買い手が気にする3つの壁
築古の物件は、新しい物件に比べて梁が太く、天井が低く、床が薄い傾向があります。そのため、買い手は次の点を気にします。
- (1) 建物を支える壁は撤去できず、間取りの自由度に限りがある
- (2) 太い梁が邪魔をして、キッチンなどの水回りを移せない場合がある
- (3) 床の仕上げによっては、階下への音が問題になる
とくに音は、住人同士の関係に影響します。国土交通省のマンション標準管理規約でも、床のフローリング化は理事会の承認が必要な工事の例とされ、工事の仕様や材料で影響が変わるため、専門家への確認が必要とされています。実際の決まりは各マンションの管理規約で異なります。
■ 国土交通省 マンション標準管理規約(床のフローリング化は理事会の承認が必要)
耐震性は基準だけでは決まらない
新耐震基準は1981年6月1日に導入されました。それ以前に着工された物件は旧耐震基準で設計されており、築45年を超える物件の多くが該当します。ただ、地盤の固さや建物の形によっても安全性は変わるため、基準だけで判断はできません。耐震診断を受けているかどうかは、買い手が知りたい情報のひとつです。
売却前に準備しておきたいこと
売主の立場でできる備えは、次のとおりです。
- (1) 管理規約や細則を手元にそろえ、リフォームの可否を説明できるようにする
- (2) 過去に行った改修の内容と、管理組合への申請記録を確認する
- (3) 耐震診断の有無や、大規模修繕の履歴を調べておく
これらがそろっていると、買い手の不安が減り、話が進めやすくなります。ただし、築年数が古いこと自体が価格に響くかどうかは、立地や管理状態でも変わります。まずは自分の物件がどう評価されるのかを知ることから始めましょう。
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※本記事は2026年10月時点の公表資料をもとに作成しています。最新の情報は各発表元でご確認ください。