マンションを建てる費用の上昇が続いています。「新築が高くなれば、所有する中古マンションも高く売れるのでは」と気になる方もいるでしょう。ただし、建築費の上昇率を、そのまま自宅の売却価格に当てはめることはできません。ニュースをどう受け止め、何を確認すればよいのでしょうか。
建築費指数は「建てる費用」の動きを示すもの
建設物価調査会が2026年10月9日に公表した9月の東京地区の建築費指数では、集合住宅(鉄筋コンクリート造)の工事原価は147.7となり、前月比0.7%上昇しました。2015年平均を100とした指数です。
今回の上昇では、照明・通信などの設備工事や労務費の負担増が背景にある一方、鉄筋には値下がりもみられました。資材や工事の種類によって動きは異なっています。
この指数は、マンションを建てるための工事費の動きを示しています。147.7という数字は、2015年の平均を100とした場合、東京地区の標準的なマンションの建築にかかる工事原価が47.7%上昇したことを表します。土地代などを含むマンションの販売価格や、所有する中古マンションの売却価格が、同じ割合で上がったことを示すものではありません。
自宅の価格は、近隣の成約事例で確かめる
建築費が上がると、新築の販売価格にも上昇圧力がかかると考えられます。その結果、中古を検討する人が増える可能性はありますが、それだけで個々の中古マンションが値上がりするとは限りません。
売却を考える際は、同じマンションや近隣で、条件の似た部屋が実際にいくらで売れたかを確認しましょう。広告の「売出価格」と、取引が成立した「成約価格」は区別することが大切です。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格や成約価格の情報を検索できます。所有するマンションと条件の近い取引を調べ、相場の目安を確認してみましょう。
管理状態と、今後の修繕負担も確認する
部屋の内装だけでなく、建物全体の管理状況も整理しておきたいポイントです。国土交通省は、マンション購入時に管理状況を確認するためのチェックシートを公開し、長期修繕計画や修繕積立金の確認を促しています。
所有者も、長期修繕計画の見直し時期、大規模修繕の履歴、修繕積立金の増額予定などを把握しておきましょう。これらは、購入希望者に説明する材料になるほか、所有を続ける場合の支出を考えるうえでも役立ちます。
ただし、新築の建築費指数が上昇したからといって、自分のマンションの修繕費も同じ割合で増えるわけではありません。実際の計画や見積もりを確認することが必要です。
売却・保有の判断は、自分の物件の情報から
建築費の上昇は住宅市場を考える材料の一つです。住み替えを考えているなら、自宅の売却見込み額と併せて、購入先の価格や諸費用も確認しましょう。
「不動産売却王」では、Web上で所有する不動産の概算価格を確認できます。まずは現在の価値を知り、具体的な売却を検討する段階で、成約事例や管理状況を踏まえた詳細な査定を受けるとよいでしょう。売却するか、所有を続けるかを判断する材料として活用してみてください。