「年金だけでは生活にゆとりがない」「住宅ローンの返済負担を少しでも軽くしたい」。そんな悩みを抱えるシニア世代を中心に、近年注目されているのが「リバースモーゲージ」です。
簡単にいえば、自宅に住み続けたまま、その価値を担保にお金を借りる仕組みです。
毎月支払うのは利息だけで済むため、月々の負担を抑えられるのが最大の特長といえます。
元本は契約者が亡くなった後に自宅を売却する、または相続人が一括返済する形で精算するのが基本です。
ただし商品によっては、契約期間が満了したときや、担保評価が下がって借入額を下回ったときなどに、存命中でも返済を求められる場合があります。
住み慣れた家を手放さずに資金を確保できる魅力的な制度ですが、仕組みを十分に理解したうえで検討することが大切です。
利用が増えている背景とは
住宅金融支援機構のリバースモーゲージ型住宅ローン【リ・バース60】は、累計の申込件数が1万件を超えるまでに広がっています(2025年度の単年度実績は前年度を下回っており、年度ごとの増減はあります)。背景には、高齢者世帯の増加や物価上昇、年金だけでは生活費に不安を感じる人が増えていることが挙げられます。
なお、ひと口にリバースモーゲージといっても、大きく2つのタイプがあります。
住宅金融支援機構と提携した【リ・バース60】は「住宅ローン」に位置づけられ、住宅の購入・建築、リフォーム、住宅ローンの借り換えなど住まいに関する用途に限定されます。
一方、銀行などが独自に扱うリバースモーゲージは、生活費や医療・介護費用など幅広い用途に使える商品もあります。
「老後の生活資金に充てたい」のか「住宅ローンの負担を軽くしたい」のかによって、選ぶべき商品が変わる点に注意が必要です。
利息負担は想像以上に大きくなることも
リバースモーゲージは毎月の返済が軽くなる一方で、借入期間が長くなるほど支払う利息は増えていきます。
特に近年は日本銀行の金融政策の変化に伴い、住宅ローンやリバースモーゲージの金利も上昇傾向にあります。
金利タイプは金融機関や商品によって変動金利・固定金利の両方があります。変動金利を選んだ場合、将来的に金利が上がれば毎月の利息負担も増える可能性があるため、契約前にどちらの金利タイプかを必ず確認しましょう。
さらに、平均寿命より長く生活する場合は、その分だけ利息を支払い続けることになります。現在の家計だけでなく、10年後、20年後の生活まで見据えて検討することが重要です。
「売らずに借りる」だけが選択肢ではない
リバースモーゲージは、自宅に住み続けながら資金を確保できる便利な制度ですが、すべての人に最適とは限りません。
例えば、お子さまが独立して広い住宅が不要になった場合は、自宅を売却して住み替えることで、住宅ローンを完済し、手元に資金を残せるケースもあります。
また、地方都市では都市部ほど地価が高くない地域もあるため、担保評価額が希望する借入額に届かないこともあります。一方で、近年の不動産市場では地域によって住宅価格が堅調に推移しているエリアもあり、「思っていたより高く売れる」というケースも少なくありません。
岡山市をはじめとする地方都市でも、交通利便性の高い住宅地や人気エリアでは需要が安定しているため、現在の資産価値を把握することは今後の住まい方を考えるうえで大きな判断材料になります。
まずは自宅の「今の価値」を知ることから始めよう
リバースモーゲージを利用するか、それとも住み替えや売却を検討するかは、ご家庭の状況によって最適な答えが異なります。
だからこそ、最初に行いたいのが「現在の自宅がいくらくらいの価値なのか」を知ることです。資産価値が分かれば、借り入れと売却のどちらが自分に合っているのかを冷静に比較しやすくなります。
将来の生活設計や相続も見据えながら、焦って結論を出す必要はありません。まずは客観的な査定を受け、自宅の資産価値を把握することが、納得のいく住まいの選択につながります。
不動産売却王では、お住まいの地域や物件の条件から、おおよその相場を確認できる「相場チェック」をご利用いただけます。
「今すぐ売却する予定はない」という方でも、現在の資産価値の目安を知ることは将来の選択肢を広げる第一歩です。
なお、相場チェックで分かるのはあくまで参考価格です。実際の売却可能額は、建物の状態や周辺の取引状況によって変わります。より正確な金額を知りたい場合は、不動産会社の査定をご利用ください。
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