「家は一生に一度の買い物」という常識が、少しずつ変わりはじめています。国が後押しする「残価設定型住宅ローン」の登場は、住み替えを前提とした家の持ち方が広がるサインです。今すでに家をお持ちの方にとっても、無関係な話ではありません。
残価設定型住宅ローンとは?
自動車の「残クレ」の住宅版で、契約時に将来の住宅価値(残価)を設定し、月々の返済負担を抑えられる仕組みです。設定期間の満了後は、返済額を軽減する、残価を基準に住宅を買い取ってもらいローンを完済する、といった選択肢が用意されています。国土交通省も金融機関向けの保険制度を創設して普及を支援しており(出典:国土交通省 報道発表資料)、対象は一定の維持管理体制が認められた認定長期優良住宅に限られます(出典:移住・住みかえ支援機構)。
「住み替え前提」の時代に起きること
この制度が示しているのは、「一つの家に住み続ける」から「ライフステージに合わせて住み替える」への変化です。地方都市でも、お子様の独立や転勤、親御様との同居など、住まいを見直すきっかけは意外と多いもの。住み替えが当たり前になれば、中古住宅の流通も今より活発になっていくと考えられます。
一方で、市場で評価される住宅とそうでない住宅の差が開いていく可能性もあります。長期優良住宅のように性能や維持管理の記録がある家は評価されやすく、これからの買い手はそうした点を今まで以上に見るようになるでしょう。
今の家の「価値」と「残債」を把握していますか?
残価設定型ローンの本質は、「将来の家の価値をあらかじめ見える化しておく」ことにあります。実はこの考え方、すでに家をお持ちの方にもそのまま役立ちます。
ポイントは、ご自宅の市場価値とローン残高の関係です。市場価値が残債を上回っていれば、売却益を次の住まいの資金に充てる住み替えがスムーズに進みます。逆に残債が上回る状態だと、売却時に自己資金の持ち出しが必要になることも。この関係は地価や築年数で毎年変わるため、「売る予定はまだない」という方も、定期的に確認しておくと将来の選択肢がぐっと広がります。
確認の方法はシンプルで、ローンの年末残高証明書と、現在の査定額を並べてみるだけ。車検のように数年に一度の習慣にしておくのがおすすめです。
まとめ
残価設定型住宅ローンの登場は、家の価値を定期的に把握しながら住み替えに備えるという、新しい住まいとの付き合い方を示しています。これは制度を使う人だけでなく、すべての住宅オーナーに通じる考え方です。
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