「家を買ったら、もうこの先一生ここで暮らす」。そんな前提で住まいを選んでいる方、実は多いのではないでしょうか。
都市部ではここ数年、住宅価格の上昇が続いており、「今買わないと、もっと高くなってしまうかもしれない」という不安から、多少無理をしてでも住宅を購入する世帯が増えているとも言われています。
一方、地方都市にお住まいの方にとっては、「うちのあたりは関係ない話」と感じられるかもしれません。しかし実は、地方都市でも地価の上昇は着実に進んでおり、「住まいをどう持ち、どう手放すか」を考える環境は確実に変わってきています。
今回は、「住まいは暮らしの変化に合わせて変わってもいい」という考え方について、所有者の方の視点から整理してみたいと思います。
地方都市でも地価は動いている
地価の上昇というと東京や大阪の話のように聞こえますが、地方都市も例外ではありません。
例えば岡山県では、2026年の公示地価で全用途の平均変動率がプラス1.3%となり、伸び率は3年連続で1%を超えました。岡山市内では平均2%台後半の上昇となっており、再開発やマンション建設が進む中心部では、さらに高い伸びを示す地点も見られます。
ここで注目したいのは、同じ市内でも「上がり方に差がある」という点です。駅に近いエリアや再開発が進む中心部は強く上昇する一方、郊外では上昇が緩やかな地域もあります。つまり、お持ちの不動産がどのエリアにあるかによって、資産としての動き方が大きく異なるのです。
これは岡山に限った話ではなく、多くの地方都市に共通する傾向です。「自分の家の周辺は、今どちらの動きをしているのか」を知ることが、住まいの今後を考える出発点になります。
不動産価格は「上がり続ける」とは限らない
では、この上昇はいつまで続くのでしょうか。円安を背景にした建築費や人件費の上昇など、価格を押し上げる要因は当面続くという見方がある一方、日本銀行が公表している金融システムレポートでは、不動産市場の動向に継続的な注意が必要だと指摘されています。
特に地方都市の場合、人口減少の影響を受けやすいエリアとそうでないエリアの差が、今後さらに広がっていく可能性があります。中心部の地価が上がっていても、市内すべての不動産が同じように値上がりするわけではない、という点は押さえておきたいところです。
つまり、「今の家にずっと住み続ける」という選択も、「暮らしの変化に応じて住み替える」という選択も、どちらも一方的に正解とは言えない、ということです。大切なのは、どちらの状況になっても動ける余地を持っておくことではないでしょうか。
住まいに求めるものは、暮らしとともに変わっていく
住まいに求める条件は、本来、暮らしの状況によって変わるものです。
子育て中は、広さや部屋数、学区や周辺の生活環境が重要になります。一方、お子さんが独立されたり、定年を迎えて通勤がなくなったりすると、住まいに求めるものは大きく変わります。広すぎる家は、固定資産税や修繕費、光熱費といった維持費の面で、むしろ負担になることもあります。
地方都市の場合、ここに「車が運転できなくなった後の生活」という視点も加わります。郊外の一戸建てから、病院やスーパーに歩いて行ける中心部のマンションへ住み替える、という動きは、実際に多くの地方都市で見られるようになっています。中心部の地価が上昇している背景には、こうした住み替え需要があるという見方もできるでしょう。
つまり「最初に買った家に、最後まで住み続けなければならない」というルールは、実はどこにもないのです。
「動ける状態」をつくっておくことに価値がある
もちろん、住み替えにはコストがかかります。仲介手数料や引っ越し費用、新居にかかる費用を考えると、簡単な決断ではありません。
ただ、視点を変えると、地価が上昇している今は「売る側にとって追い風の時期」とも言えます。ローンの返済が進み、住まいの価格が一定程度維持されていれば、売却によってまとまった資金を確保し、次の暮らしに合った住まいへ移る、という選択肢が現実味を帯びてきます。
そのために重要なのが、「今の家が、今どのくらいの価値で売れるのか」を把握しておくことです。住み替えを具体的に考えていなくても、売却価格の目安を知っておけば、ローン残債とのバランスや、住み替え時に使える資金の見通しが立てやすくなります。「今売るかどうか」ではなく、「もし売るとしたら、どのくらいの選択肢が持てるのか」を知っておく、というイメージです。
まずは「今の住まいの価値」を知ることから
暮らしの変化に応じた住み替えを選択肢の一つとして持っておくためには、まず現在の住まいがどのくらいの価格で売却できそうかを知ることが第一歩になります。
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「今すぐ売る予定はないけれど、将来の選択肢として知っておきたい」という方にも、気軽にお使いいただける内容になっています。暮らしの変化を見据えて、一度ご自身の住まいの価値を確認してみてはいかがでしょうか。
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