これは不動産関連の法律や知識を盛り込んだミニドラマです。
物語形式で難解に思われがちな法律や知識を出来るだけ分かりやすく伝えています。
なお、このドラマで出てくる登場人物、団体等はフィクションです。
登場人物
🏠 佐藤さん(30代・会社員)
📜 不動産会社の担当者・山田さん
転勤が決まっているのに、長期契約を結んで大丈夫?
佐藤さんは、会社から 「半年後に海外転勤が決定」 したばかりだった。
「今の家を引き払って、新しい部屋に住むのはいいけど……普通の賃貸契約は2年契約が多いし、半年で退去すると違約金が発生するかもしれないな」
そんな不安を抱えながら、不動産会社を訪れた。
「いらっしゃいませ!今日はどうされましたか?」
担当の山田さんが笑顔で迎えてくれた。
「実は、半年後に海外転勤が決まっているので、それまでの間だけ住める物件を探しているんです。でも、普通の賃貸契約だと2年契約が多いですよね?半年で解約しても違約金が発生しない物件ってありますか?」
「なるほど、それでしたら『普通借家契約』と『定期借家契約』の違いを知っておくといいですね。」

「1年未満の契約は1年になる」は誤解?
佐藤さんは以前、同僚からこんな話を聞いたことがあった。
「賃貸借契約は1年未満だと、自動的に1年契約になるんだよ!」
「これって本当ですか?」佐藤さんが尋ねると、山田さんは首を横に振った。
「実はそれ、誤解なんです。」
1年未満の契約は法律上認められず、期間の定めがない契約とみなされる
民法では、 建物の賃貸借契約は、契約で定めた期間が尊重 される。
しかし、借地借家法では 普通借家契約で1年未満の契約は無効 になり、契約期間の定めがないものとみなされる。
つまり、1年未満の普通借家契約は、借地借家法の規定により契約期間が定まっていないと扱われる。
「ということは、半年契約を結んでも、貸主が『半年後に退去してください』とは言えないってことですか?」
「その通りです。借主が『まだ住みたい』と希望すれば、貸主は簡単に契約を終了できません。」
半年で解約しても違約金が発生しない方法は?
「じゃあ、半年後にスムーズに退去できる物件はあるんですか?」
「はい、いくつか方法がありますよ!」
✅ 「短期解約違約金なし」の普通借家契約を探す
→ 物件によっては「6ヶ月以上住めば違約金なし」の条件がある
✅ 「定期借家契約」の物件を探す
→ 定めた期間で終了するので、契約通りに退去できる
✅ 「マンスリーマンション」などの短期賃貸を利用する
→ 初めから短期間の利用を前提にした物件なら安心
1年以上なら契約は有効、でも更新される可能性あり!
「じゃあ、1年以上の契約ならどうなりますか?」
「1年以上の契約なら、その期間は有効です。でも、普通借家契約の場合、契約期間が満了しても、借主の意向で契約が更新される可能性があります。」
普通借家契約の場合、契約期間が満了しても、貸主からの更新拒絶がなければ契約は自動更新され、従来と同じ条件で継続します。これを『法定更新』と呼びます。
貸主が契約を終了させるためには、
✅ 更新拒絶の通知を契約満了の1年前~6ヶ月前までにする
✅ 正当事由(貸主がその物件を使う予定がある、老朽化が激しいなど)がある
この2つの条件を満たさないと、貸主は契約を終了させることができない。
佐藤さんは驚いた。
「えっ、契約期間が終わったら自動的に出ていかなきゃいけないわけじゃないんですね!」
「そうなんです。もし、契約期間がきっちり終わることを前提にしたい場合は、『定期借家契約』を選ぶのがベストですね!」
不動産契約はプロに相談!
「いや~、やっぱりプロに聞いてよかった!半年で解約しても違約金が発生しない物件を探すのが一番いいですね!」
佐藤さんはスッキリした表情で、不動産会社を後にした。
不動産の契約は、法律のルールをしっかり知っておくことが大切だ。
そして賃貸契約だけでなく、不動産の売却についても、専門家に相談すると安心です。
もし、将来的にマイホームを購入する予定があるなら、今の住まいをどうするかも考えておくとよいでしょう。賃貸だけでなく、不動産の売却についても専門家に相談すると安心です。
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