火災保険の更新案内を見て、保険料の高さに驚いた方もいるのではないでしょうか。住まいを維持するうえで、保険料は継続的にかかる費用の一つです。負担を抑えるには、必要な補償と自己負担できる範囲を整理することが大切です。
値上がりの背景と、更新時に確認したいこと
損害保険料率算出機構は2023年、住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げました。背景には、自然災害などによる保険金支払いの増加があります。ただし、これは各社が保険料を決める際の参考となる数値で、すべての契約の保険料が同じ割合で上がるわけではありません。
更新時は金額だけを見るのではなく、建物の評価額や補償内容が以前とどう変わったかを確認しましょう。値上がりの内訳が分かれば、見直すポイントも整理できます。
保険金額は「売れる価格」と分けて考える
住宅所有者が押さえておきたいのが、火災保険の建物評価と、不動産の売却査定の違いです。
火災保険では、同等の建物を現在建て直すために必要な「再調達価額」を基準に保険金額を設定する契約が一般的です。土地代は含みません。築年数が経過して売却価格が下がっていても、建て直す費用まで同じように下がるとは限らないのです。保険料を抑えるために保険金額を安易に減らすと、被災後の再建費用が不足する可能性があります。
水災補償は地域と物件の条件を確認する
参考純率の水災料率は、地域のリスクに応じた5区分に細分化されています。ただし、市区町村などの区分だけで、自宅の危険度を判断することはできません。
確認の入口になるのが、国土交通省・国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」です。住所周辺の災害リスクや、自治体が公表するハザードマップを調べられます。河川との距離だけで判断せず、自治体の内水氾濫に関する情報も確認しましょう。
補償を外す前に、自宅の階数や地形、浸水した場合の修理負担も含めて検討することが大切です。
免責額と重複する補償を見直す
免責額とは、事故や災害の際に自分で負担する金額です。これを設定することで、保険料を抑えられる商品があります。
例えば、補償対象として認定された損害額から免責額を差し引く契約なら、損害額100万円、免責額20万円の場合、損害に対する保険金は原則80万円です。実際の支払いは契約条件によります。保険料の節約額と、急な出費に対応できる預貯金の両方を確認しましょう。
個人賠償責任補償など、別の保険にも付いている特約も見直しの候補です。外す際は、対象となる家族や補償範囲、限度額に不足が生じないか確認してください。
住まいの維持費を把握するきっかけに
複数社の見積もりは、保険金額・補償範囲・免責額・契約期間をそろえて比較すると違いが分かりやすくなります。
保険の更新は、固定資産税や修繕費も含め、住まいにかかる費用を整理する機会です。住み替えや実家の今後を考えている場合は、維持費と現在の売却価格の目安を把握すると、保有・売却を検討しやすくなります。「不動産売却王」のWeb査定も、概算価格を知るための判断材料として活用できます。