「相続税って、お金持ちの家の話でしょ?」
そう思っている方、実は今その認識が少しずつ変わってきています。
2024年、亡くなった方のうち相続税の課税対象となった割合が、初めて10%を超えました。つまり、10人に1人以上が対象になるということ。以前は「一部の富裕層だけ」のイメージが強かった相続税ですが、地価や金融資産の上昇によって、ごく普通の家庭にも関わる問題になってきているんです。
今回は、この変化が地方都市の不動産オーナーにどんな影響をもたらすのかを、わかりやすく整理してみます。
■ 相続税、いまどんな状況になっているの?
国税庁の発表によると、2024年に相続税の課税対象となった被相続人の数は16万6,730人。課税割合は10.4%で、統計開始以来初めて1割を超えました。
さらに注目したいのは、税務調査の件数も増えていること。
- 税務署員が自宅を訪問する「実地調査」:9,512件(前年比+11%)
- 電話・文書で申告を是正する「簡易な接触」:21,969件(前年比+17%)
合わせると、申告した人の約5人に1人が何らかの形で税務署から確認を受けている計算になります。決して珍しいことではなくなってきているんですね。
しかも、税務調査が入った場合、8割以上のケースで申告漏れや誤りが見つかっているというデータもあります。「ちゃんと申告したつもり」でも、見落としが起きやすいのが相続税の難しいところです。
■ なぜ「普通の家庭」にも広がってきたの?
大きな要因のひとつが、不動産価格の上昇です。
相続税の基礎控除は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」。たとえば相続人が4人なら5,400万円です。以前はこの金額を超える資産を持つ家庭はごく一部でしたが、地価の上昇によって、自宅と預貯金しかない一般的な家庭でも、合計額が基礎控除を超えるケースが増えてきたのです。
専門家からも「土地などの資産価値の上昇に伴い、自宅と預貯金のみという一般的な家族でも相続税の対象になる可能性がある」という指摘が出ています。
税務署は長年にわたって、被相続人の給与・事業所得・不動産・金融資産などの情報を蓄積しています。その情報をもとに保有資産を推計し、申告内容と照らし合わせているため、「バレないだろう」という甘い考えは通用しにくい状況です。
■ 地方都市の不動産オーナーへの影響は?
「地方だから関係ない」と思いたいところですが、そうとも言い切れません。
地方都市でも、長年所有してきた土地や建物の価値が、思った以上に高く評価されるケースがあります。特に駅近や商業地に近いエリアの不動産は、路線価や固定資産税評価額が近年上昇している地域も多く、自分では「古い家」と思っていても、相続税評価額は意外と高いことがあります。
また、地方では「親から引き継いだ土地や家を、とりあえずそのまま持っている」というケースも多いですよね。こうした不動産が複数あると、合計額が基礎控除を超えてしまう可能性は十分あります。
さらに、地方の場合は相続税に詳しい税理士へのアクセスが都市部より限られることもあり、申告ミスや申告漏れが起きやすい環境という側面も否定できません。
■ 今後、どうなっていくの?
地価の上昇傾向が続く限り、相続税の課税対象者はさらに増えていく可能性が高いとみられています。専門家の間では「今後も課税割合や1人あたりの税額は地価動向によってさらに上昇する可能性がある」という見方が広がっています。
また、税務署側も調査の効率化・高度化を進めており、AIを活用した調査先の選定なども始まっています。申告の「穴」を見つける精度は、今後ますます上がっていくでしょう。
つまり、「まだ大丈夫だろう」と先送りにしていると、気づいたときには想定外の税負担が発生していた、というリスクが高まっているのが現状です。
■ 不動産の売却を考えている方へ
相続税対策として不動産売却を検討するケースは、実は珍しくありません。
不動産は現金に比べて相続税評価額が低く抑えられる面もありますが、一方で「管理が大変」「使う予定もない」「売りどきを逃したくない」という理由で、売却を前向きに考える方も増えています。
売却によって資産を現金化しておくと、相続発生時に相続人が納税資金を用意しやすくなるというメリットもあります。特に不動産しか資産がない場合、納税のために急いで売却を迫られるケースもあり、そうなると売値の交渉力も弱くなりがちです。
余裕のあるうちに動くことが、結果的に家族の負担を減らすことにつながります。
まずは今持っている不動産がどれくらいの価値なのかを把握することが、最初の一歩です。
■ まずは「今の価値」を知ることから
不動産の売却を考えていなくても、「自分の資産がいくらになるのか」を把握しておくことは、相続対策の第一歩として非常に重要です。
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「売るかどうかはまだわからない」という段階でも、現在の価値を知っておくことで、今後の判断がしやすくなります。ぜひ一度、試してみてください。
※本記事は公開情報をもとに作成しています。個別の税務判断については、税理士などの専門家にご相談ください。
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