※ 2026.8.30 修正・加筆あり
※この記事の登場人物・会話・内容はフィクションです。実在の個人・団体とは一切関係ありません。
東京都内にある築20年の分譲マンション「桜ヶ丘レジデンス」。
全50戸の中規模マンションで、幅広い年代の住民が暮らしています。管理組合の総会や理事会も定期的に開かれていました。
その日、マンションの副理事長である山本さんは、夜遅くに帰宅すると、エントランスが真っ暗になっていることに気づきました。
「え? 電球が切れてるのか……。これじゃ足元も見えないし、危ないな……」
翌日、山本さんは管理会社に連絡し、電球が切れていることを伝えました。その後、電球は交換され、エントランスは元のように明るくなりました。
しかし、次の管理組合の会議で、こんな疑問が出ました。
「こういう共用部分の修理って、集会で決議を取らなくてもできるんですか?」
すると、理事長の佐藤さんが口を開きました。
「今回のような電球交換など、共用部分を維持するための行為は、内容によっては『保存行為』に当たると考えられます。区分所有法では、共用部分の保存行為は各共有者が行うことができるとされています。
ただし、マンションの管理規約で別のルールを定めることもできます。たとえば、区分所有者が保存行為を行う際に、理事長への申請や承認を必要としている場合もあります。
ですから、『保存行為なら自分の判断で自由に業者へ依頼してよい』というわけではありません。実際に修理などを行う場合は、まず管理規約を確認し、必要に応じて管理組合や管理会社に相談した方が安心ですね」
「へぇ~、保存行為でも管理規約を確認した方がいいんですね」
住民たちは説明を聞き、納得した様子でうなずきました。
解説:共用部分の保存行為とは?
「保存行為」とは、マンションの共用部分について、現状を維持したり、損傷した部分を元の状態に戻したりするために行う行為です。
たとえば、共用部分の電球交換や軽微な補修などが、内容によっては保存行為に当たることがあります。
区分所有法では、共用部分の管理について、行為の内容に応じたルールが定められています。
共用部分の形状や効用に著しい変更を伴う場合などは「共用部分の変更」として扱われ、原則として集会で一定の決議が必要です。一方、変更に当たらない共用部分の管理に関する事項についても、保存行為を除き、原則として集会の決議によって決めます。
保存行為については、区分所有法第18条に定めがあります。同条では、共用部分の管理に関する事項は原則として集会の決議で決める一方、保存行為については各共有者が行うことができるとされています。
ただし、管理規約で別のルールを定めることも認められています。そのため、「保存行為だから区分所有者が自由に修理や工事をしてよい」と判断するのは避けた方がよいでしょう。
実際に共用部分の修理などを行う際には、まず自分のマンションの管理規約を確認し、必要に応じて管理組合や管理会社に相談することが大切です。
不動産売却にも意外と関係してくる?
共用部分がどのように維持・管理されているかは、マンションの管理状態を判断する一つの材料になります。
マンションの売却を検討する買主にとっても、「共用部分が適切に管理されているか」「これまでどのような修繕が行われてきたか」といった点は、購入を判断する際の材料の一つです。
そのため、マンションの売却を検討しているなら、自分の部屋だけでなく、建物全体の管理・修繕状況についても確認しておくとよいでしょう。
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