相続税が「身近な問題」になってきた理由
相続税収の増加が止まりません。2025年度には3.6兆円台と、過去最高を更新する見通しとされています。
その背景には、2015年の相続税の基礎控除引き下げに加え、都市部を中心とした地価の上昇、株価の堅調な推移、そして少子化による相続人の減少があります。
かつて相続税は、「お金持ちの家の子だけが支払う税金」という印象が強くありました。しかし現在では、国税庁のデータからみても、亡くなった方のおよそ10人に1人が相続税の課税対象となっています。
必ずしも誰もが支払う税金ではないものの、その負担の裾野は確実に広がっており、相続税はごく一般的な家庭にとっても無関係ではない存在になりつつあります。
相続税増加の背景にある「評価」の考え方
相続税法では、相続財産は原則として相続時点の「時価」で評価すると定められています。不動産については、実務上、路線価や倍率方式といった基準が用いられますが、これらは時価を算定するための指標です。
近年は地価の上昇が続いており、特に都市部では、
「親の相続時には相続税がかからなかったのに、自分の代では高額な相続税が発生する」
といったケースが現実に増えています。
基礎控除が縮小され、相続人の数も減る中で、本人にとっては「普通の家」「それほど大きくない不動産」という感覚でも、結果として高い相続税負担が生じることは、決して珍しい話ではなくなっています。
地方都市における不動産相続の難しさ
地方都市では、都心ほど急激な地価上昇は見られないものの、中心市街地や駅周辺では評価額が上昇している地域も少なくありません。
一方で、人口減少や空き家の増加といった構造的な問題を抱えており、
- ・相続税評価は一定水準以上になる
- ・しかし実際の売却では買い手が見つかりにくい
- ・現金化までに時間がかかる
といった状況が生じやすいのも、地方都市の不動産の特徴です。
その結果、「評価額は高いが、すぐに現金に換えられない不動産」を相続するリスクが、地方都市ではより顕在化しやすくなっています。
今後さらに進む「大相続時代」
高齢化の進行により、今後も相続そのものの件数は増えていくと見込まれています。
日本総合研究所の試算によれば、国内で1年間に相続される資産額は今後さらに増加していくとされています。
亡くなる人が増える一方で、財産を受け継ぐ子どもの数は減少しています。その結果、1人あたりが受け継ぐ資産額は増え、相続税の負担を感じる家庭は今後も増えていくと考えられます。
制度面を見ても、相続税が大きく緩和される可能性は高くありません。
「相続が起きてから考える」のではなく、「相続が起きる前に備える」ことが、これからのスタンダードになっていくでしょう。
売却検討は「守り」の選択でもある
相続が発生してから慌てて不動産をどうするか考えるよりも、元気なうちに不動産の価値を把握し、選択肢を整理しておくことは、家族にとって大きな安心につながります。
もちろん、すべての不動産を売却する必要があるわけではありません。
ただし、
- ・持ち続けた場合
- ・売却した場合
それぞれの結果を比較できる状態にしておくことが、後悔しない判断につながります。
売却は「手放す」というネガティブな行為ではなく、資産を整理し、将来の負担や不安を減らすための現実的で前向きな選択でもあります。地方都市の不動産こそ、早めに検討することで、より納得のいく判断がしやすくなります。
これからの備えとしてできること
相続税の話題は重く感じられがちですが、すでに多くの家庭に関係する現実的な問題です。
まずは、今お持ちの不動産が「どのくらいの評価になるのか」を知ることが、すべての出発点になります。
そのうえで、
- ・持ち続けるのか
- ・売却するのか
- ・家族にどう引き継ぐのか
を話し合える材料をそろえておくことが、将来のトラブルや負担を減らすことにつながります。
不動産売却王では、入力もシンプルで、地方都市の不動産価値を手軽に把握できます。「まだ売ると決めていない」という段階でも問題ありません。将来の選択肢を増やすための一歩として、気軽に活用してみてください。
