自宅に住み続けながら老後資金を確保できるリバースモーゲージ。利用が広がる一方で、「本当に今、借りる必要があるのか」を立ち止まって考えることも大切です。
地方都市に自宅をお持ちの方に向けて、仕組みと注意点、そして売却という選択肢を整理します。
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借り、毎月は利息だけを支払い、元金は契約者が亡くなった後に自宅の売却などでまとめて返す仕組みです。代表的な商品である住宅金融支援機構と民間金融機関が連携する「リ・バース60」は、原則60歳以上の方が利用でき、毎月の支払いを利息のみに抑えられる点が特徴とされています。
高齢の単身世帯・夫婦のみ世帯の増加や物価上昇を背景に、こうした商品の利用は近年広がっているといわれています。年金収入を補い、住み替えずに手元資金を確保できる手段として、関心を持つ方が増えているようです。
便利さの裏にある2つの注意点
一方で、利用を考える際に押さえておきたい点もあります。
ひとつは、借りられる金額です。リ・バース60で融資を受けられるのは、一般に自宅の担保評価額の5〜6割程度が上限とされています。つまり、自宅の価値をそのまま現金化できるわけではありません。
もうひとつは金利です。リバースモーゲージの多くは変動金利で、2026年時点では年3〜4%台の設定が中心となっています。日本銀行が利上げ姿勢を続けるなかで、今後さらに上がる可能性もあります。利息のみを払い続ける仕組みのため、金利が上がればそのぶん毎月の負担も増えやすく、長く続けるほど支払う利息の総額が膨らみやすい点には注意が必要です。実際に、用途や借り始める年齢によって総利息に大きな差がつくとも指摘されています。
「住み続ける」だけが答えではない
ここで一度考えたいのが、「今の自宅に住み続けること」が本当に最善かという点です。リバースモーゲージで受け取れるのが評価額の一部にとどまるのに対し、自宅を売却すれば、その価値をより大きく現金として受け取れるケースも少なくありません。
特に地方都市では、広い戸建てにご夫婦だけ、あるいは単身で暮らしているという世帯も多く見られます。使わない部屋の維持費や将来の修繕費を考えると、自宅を売却してコンパクトな住まいに移ることで、かえって家計にゆとりが生まれる場合もあります。売却で得た資金を老後の生活費や新居の確保に充てるという考え方です。もちろん、住宅価格や家賃が上昇傾向にある今、新しい住まいの確保は簡単ではありません。だからこそ、「借りる」「住み続ける」「売る」というそれぞれの選択肢を早めに並べて比べておくことが役立ちます。
まずは自宅の価値を知ることから
リバースモーゲージは有力な選択肢のひとつですが、唯一の答えではありません。まずはご自宅にどれくらいの価値があるのかを知ることが、判断の第一歩になります。
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