「まだ持っておいた方がいいのかな」「いつ売ればいいんだろう」――不動産の売却タイミングって、なかなか判断しづらいですよね。
実は最近、住宅市場に興味深い変化が起きています。全国の住宅購入を検討している人たちを対象にした調査(リクルート・SUUMOリサーチセンター「住宅購入・建築検討者調査(2025年)」)によると、「今が買い時だ」と感じている人の割合が、ここ数年で最も高い水準になっているんです。
これ、売る側からすると、すごく大事なシグナルです。今回はその調査の内容をもとに、特に地方都市で不動産を持っている方に向けて、現状と今後の見通しをわかりやすく整理してみました。
「今が買い時」と感じている人が過去最高に
冒頭に紹介した調査では、住宅の購入や建築を検討している人の50%が「今が買い時だと思っている」と回答しました。2020年以降で最も高い数字です。
では、なぜみんな「今が買い時」と感じているのか。その理由として最も多かった回答が、「これからは住宅価格が上昇しそう」(50%)。つまり「今のうちに買わないと、もっと高くなってしまう」という焦りに近い感覚が、購買意欲を後押ししているんですね。
「いい物件が出ていそう」(31%)、「住宅ローン金利がまだ安い」(26%)という声も続きます。
この心理、売る側から見ると「買い手が動きやすい状態」を意味します。需要が高まっているということは、それだけ売れやすい環境でもあるわけです。
新築志向が薄れ、中古・住み替えに注目が集まっている
もう一つ、興味深い変化があります。同じ調査によると、新築を希望する人の割合が63%と、2019年以降で最も低い水準になりました。
これは何を意味するかというと、中古物件や住み替えを視野に入れる人が増えているということ。実際に「将来的に売却を考えている」と答えた人も33%と増加傾向にあり、「価格が上がったタイミングで売りたい」という柔軟な考え方が広がっています。
市場全体として「売って、また買い直す」という住み替えの流れが活発になっているのです。これは中古物件の出回りが増えることを意味すると同時に、売り手にとっては買い手も増えているというプラスの側面があります。
地方都市への影響、どう考えればいい?
ただし、ここで一つ注意が必要です。この調査の対象は三大都市圏と一部の政令指定都市が中心。地方の中小都市がそのまま同じ状況かというと、必ずしもそうとは言えません。
とはいえ、地方都市の不動産にとって、今の市場環境はいくつかの点で追い風になっています。
・都市部の価格高騰が、地方への関心を高めている
新築マンションが1億円を超えるような都市部の価格上昇を受けて、地方移住や二拠点居住を検討する人が増えています。相対的に手頃な地方の物件は、注目されやすい状況にあります。
・リモートワークの普及で「場所の制約」が薄れた
働く場所を選ばない人が増えたことで、地方の物件でも都市部の買い手候補が視野に入るようになりました。以前より売却の選択肢が広がっています。
・住み替え需要の活発化が、地方にも波及する可能性
都市部の住み替えが進むと、いずれ地方の市場にも動きが出てきます。人口動態や地価動向は地域差が大きいため、自分のエリアの状況を個別に確認することが大切です。
今後、予想される流れ
現在の市場をベースに考えると、いくつかの流れが見えてきます。
まず、住宅ローンの金利は上昇傾向にあります。日本銀行の利上げの影響で変動金利も動き始めており、「低金利を使えるうちに」という購買行動は、今後鈍化していく可能性があります。買い手の熱量がいつまでも続くとは限らない、という点は意識しておいた方がいいでしょう。
また、建築コストの上昇が続く中で、新築物件の価格はさらに上がることが予想されます。そうなると新築を断念した層が中古市場に流れ込む可能性があり、中古物件の需要は引き続き底堅いと見られています。
一方で、地方都市では人口減少の影響で空き家が増加しており、長期的に見ると不動産価値の維持が難しくなるエリアも出てきます。「もう少し持っておけばよかった」より「少し早めに動いてよかった」となるケースも、今後は増えてくるかもしれません。
「売り時かも」と感じたら、まず査定から
今の市場は、売る側にとって悪くない環境です。とはいえ、不動産の価値は立地や築年数、周辺環境によって大きく変わります。「自分の物件はどのくらいの価値があるんだろう?」というところから確認してみるのが、一番の近道です。
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