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「家の修繕、また値上がり?」中東情勢が不動産オーナーにじわじわ影響を与えている話

2026年に入ってから、住宅関連のニュースで「ナフサショック」という言葉をよく見かけるようになりました。

「中東の話でしょ?うちには関係ないよね」と思っている方にこそ、ぜひ読んでもらいたい内容です。

ナフサショックって、何が起きているの?

まずざっくりとした話から。

2026年2月末、中東情勢が急激に悪化し、石油輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態になりました。日本が輸入する原油の多くはこのルートを通っているため、石油の供給が一気に不安定になったんです。

その余波を直撃されたのが、「ナフサ」と呼ばれる石油由来の素材です。

ナフサというのは、プラスチックや合成樹脂、塗料、接着剤などの化学製品をつくるための原料。そしてこれらは住宅建材にも幅広く使われています。

具体的にはこんな建材が影響を受けています。

  • (1) 断熱材(ウレタン・ポリスチレンフォームなど)
  • (2) 塩化ビニール製の給排水管
  • (3) 外壁・内装用の塗料やシンナー
  • (4) 接着剤・シーリング材
  • (5) ビニールクロスや床材
  • (6) ユニットバスや洗面台などの設備部材

つまり、家を建てるときも、リフォームするときも、普通に必要になる材料のほとんどが影響を受けているということです。

「値上がり」だけじゃない。「手に入らない」問題も

価格が上がるだけでも大変ですが、今回のナフサショックでより深刻なのは、「物が入ってこない」という事態が現場で起きていることです。

たとえば、TOTOは2026年4月にユニットバスの新規受注を一時停止しました。LIXILなどほかのメーカーも、価格や納期の変更について相次いで通知を出しています。

実際に工務店からは、「断熱材もユニットバスも納期の回答がもらえない」「ありとあらゆる資材が入らない状況」といった声が上がっています。

断熱材は約40〜50%、塗料は最大約80%の値上げが通告されているという情報もあり、影響の大きさは「以前のウッドショックを超えるかもしれない」という指摘も出ています。

ウッドショックは「木材だけ」の問題でしたが、今回は住宅に使われる石油由来の建材がほぼ全域にわたって同時多発的に影響を受けているため、代替策が立てにくいのが特徴です。

地方の不動産オーナーへの影響――3つのポイント

では、地方で不動産を持っているみなさんに、具体的にどんな影響がありそうか整理しておきます。

① リフォーム・修繕のコストが上がる

賃貸に出している物件の原状回復工事、自宅のちょっとしたリフォーム、外壁の塗り直し……こうした工事の費用が、これまでより確実に高くなります。

しかも費用だけでなく、着工までの時間も延びる可能性があります。資材の入荷待ちで工事が止まるケースも出てきているからです。

② マンションの修繕積立金が足りなくなる可能性

区分所有のマンションをお持ちの方にとっては、大規模修繕工事のコストが想定より膨らむリスクがあります。

積立金が不足した場合、臨時の一時金徴収が発生することもあります。管理組合の動向には注目しておく必要があります。

③ 地方の中小工務店が影響を受けやすい

地方で修繕や建築を担ってきた中小工務店は、大手と比べて資材の調達力が弱く、値上がりを価格に転嫁しにくい状況です。

倒産や廃業が増えると、「頼める業者がいない」という問題が地方でじわじわと広がっていく可能性があります。今後の見通しとして、住宅供給力が容易には元に戻らないという懸念も専門家から指摘されています。

「情勢が落ち着けば戻る」は期待しにくい

「中東が落ち着けば元に戻るんじゃないか」と思う方も多いかもしれません。

もちろん、情勢が好転すれば状況は変わります。ただ、一度上がった建材価格は、以前の水準まですんなり下がるとは限りません。コロナ禍のウッドショックのときも、木材価格は峠を越えてから数年かけて落ち着きましたが、完全に元の価格には戻りませんでした。

また、もともと地方では建設業の人手不足が続いていました。そこに今回の資材高騰が重なると、「高齢になった工務店主が廃業を決断する」ケースが増えることも十分考えられます。

つまり、仮に資材価格が落ち着いても、工事を頼める業者そのものが減っているという状況は、地方では長引く可能性があるということです。

今後、どんな流れが考えられる?

現時点での大まかな見通しをお伝えすると、こんな流れが予想されます。

2026年内(短期):建材の価格上昇・供給不足がさらに深刻化。工期の延長が増える。中小工務店の経営体力が試される時期。

数年以内(中期):石油に依存しない代替素材(グラスウールやセルロースファイバーなど)への移行が進む。資材確保ができた事業者とそうでない事業者の格差が広がる。

長期的に:住宅の建築・リフォームコストは構造的に高止まりする可能性が高い。地方では施工できる事業者の数が減少する局面もあり得る。

「でも、今すぐどうすればいい?」

いくつかの専門家が共通して言っているのは、「焦って動くのも、ただ待つのも、どちらもリスク」ということです。

住宅を購入する場合は、物件選定や資金計画をしっかり詰めた上での判断が大切です。一方で、「状況が落ち着くまで待とう」という選択も、コストが上がり続ける可能性を踏まえると単純ではありません。

修繕やリフォームを検討している方は、できるだけ早めに複数の業者に見積もりを取っておくことが得策です。資材の価格や納期は日々変わっており、「以前の相場感」はもう通用しない場面が増えています。

不動産の売却を検討しているなら、今こそ査定を

維持コストが上がっていくなかで、所有し続けることが本当にプラスなのかどうか、改めて考えるきっかけにもなっているかもしれません。

特に、「修繕にお金がかかるのはわかっているけど、なかなか踏み出せていない」「相続で受け継いだ物件をどうしようか迷っている」という方は、一度現在の市場価値を把握しておくことをおすすめします。

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現状を把握した上で、これからの方針をゆっくり考えてみてください。

※本記事で引用している建材価格・工期遅延の状況は、各専門メディアの報道をもとにしています。状況は刻々と変化していますので、最新情報の確認をおすすめします。

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