住宅ローンの変動金利は、日銀の追加利上げによって今後さらに上昇する可能性があります。住宅価格が高止まりするなか、「今ならどれくらい借りても大丈夫なのか」と悩む方も多いでしょう。
住宅ローンは金融機関が「借りられる」と判断した金額と、家計が無理なく返済できる「借りていい額」は必ずしも一致しません。将来の金利上昇や教育費、老後資金まで見据えて考えることが、安心した住まい選びにつながります。
「借りられる額」と「借りていい額」は違う
住宅ローンの審査では、年収や返済比率をもとに融資可能額が決まります。しかし、この金額はあくまで金融機関が貸し出せる上限です。
実際の家計では、税金や社会保険料を差し引いた手取り収入に加え、食費や教育費、保険料、車の維持費などさまざまな支出があります。そのため、審査に通った金額だからといって、無理なく返済できるとは限りません。
特に共働き世帯では、育児や転職などで収入が変化する可能性も考慮しておくことが大切です。
返済比率30%が一つの目安
住宅ローンの負担を考える際に参考となるのが「返済比率」です。これは、年間返済額が手取り収入に占める割合を指します。
金融機関では30~35%程度まで認めるケースもありますが、家計調査や各種研究では、返済比率が30%を超えると「返済が重い」と感じる人が増え、資産形成や趣味、教育費などに充てられる余裕が少なくなる傾向が示されています。
もちろん、家族構成や生活スタイルによって適正な割合は異なりますが、住宅ローンだけで生活の選択肢が狭くならないよう、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
金利上昇を前提に資金計画を考える
現在の変動金利は以前より高い水準となっており、今後も日銀の金融政策次第では追加の利上げが行われる可能性があります。
変動型住宅ローンには「5年ルール」や「125%ルール」を採用している金融機関も多く、急激に返済額が増えない仕組みがあります。しかし、返済額が据え置かれても利息負担が増えるため、総返済額が膨らむ可能性があります。
住宅購入を検討する際は、「今の返済額」だけでなく、金利が上昇した場合でも家計に無理がないかをシミュレーションしておくと安心です。
繰り上げ返済は焦らず家計全体を見直そう
住宅ローン金利が上昇すると、「繰り上げ返済をした方が良いのでは」と考える方もいます。
ただし、生活費の半年から1年分程度の緊急資金を確保せずに返済へ回してしまうと、急な出費や収入減に対応しにくくなります。
また、インフレが続く環境では、繰り上げ返済だけでなく、新NISAなどを活用した長期・積立投資とのバランスを検討することも選択肢の一つです。家計全体を見ながら、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
将来の住み替えや売却も視野に
住宅ローンは数十年にわたる長期の契約です。その間には転勤や子どもの独立、相続など、ライフスタイルが大きく変わることも珍しくありません。
もし住み替えや売却を検討する可能性があるなら、現在の住宅がどの程度の資産価値を持っているのかを把握しておくことも重要です。早めに相場を知っておけば、将来の選択肢を広げやすくなります。
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