これは不動産関連の法律や知識を盛り込んだミニドラマです。
物語形式で難解に思われがちな法律や知識を出来るだけ分かりやすく伝えています。
なお、このドラマで出てくる登場人物、団体等はフィクションです。
えっ、売ったのに大家さんのまま?
「田中さん、実はこのアパート、別の方に売ることになったんですよ。」
そう話したのは、いつも親切な大家さんの佐々木さんです。
突然の話に、田中さんは驚きを隠せません。
「え…!じゃあ、新しい持ち主が大家さんになるんですか? 家賃もその人に払うんですか?」
当然の疑問ですよね。でも佐々木さんは、田中さんの不安を和らげるようにこう続けました。
「いえ、建物の所有者は変わるんですけど、大家としては私がそのまま続けることにしたんです。」
「えぇ!? 売ったのにどうして佐々木さんが大家さんのままなんですか?」

売っても大家でい続ける理由
実は、佐々木さんが大家として残るのには、ちゃんとした理由がありました。
今回アパートを購入したのは、最近不動産投資を始めた高橋さん。
でも高橋さんは、不動産の管理経験がなく、こう本音をこぼしていました。
「正直、家賃の集金や建物の修理なんて、自分でちゃんとできるか心配で…。」
そこで、不動産管理業もしている佐々木さんが提案したのです。
「それなら、建物の所有権は高橋さんに移しますけど、大家としては私が続けますよ。田中さんも、急に知らない大家さんになるより安心でしょうし。」
この提案に高橋さんも納得し、
✅ 所有者は高橋さん
✅ 大家は佐々木さんのまま
という形になりました。
実際どんな契約になるの?
このような場合、法律的には次のような関係になります。
- 建物の所有者:高橋さん(新しい持ち主)
- 大家(賃貸人):佐々木さん(売主であり、引き続き大家)
- 借主:田中さん(アパートの入居者)
つまり田中さんは、引き続き佐々木さんに家賃を払い、佐々木さんが高橋さんに「所有者としての賃料(地代のようなもの)」を支払うことになります。
家賃の流れ|わかりやすく図解
借主(田中さん) | 売主(佐々木さん) | 買主(高橋さん) | |
---|---|---|---|
家賃支払い先 | → 佐々木さん(今まで通り) | ||
受け取った家賃 | ← 田中さんから受取る | ||
所有者への支払い | → 高橋さんに賃料(所有者としての利益) | ← 佐々木さんから賃料が支払われる |
借主(田中さん)はどうなる?
もちろん、田中さんの立場も守られています。
佐々木さん:「田中さんは今まで通り、私に家賃を払ってもらえれば大丈夫です。建物の修理や相談もこれまで通り私が対応しますから。」
田中さん:「それなら安心しました…!」
まとめ|「売っても大家」が成立する背景
普通なら
✅ 建物の所有者が変われば
✅ 大家さんも変わります。
でも今回のように、
✅ 管理が不安な高橋さん(買主)
✅ 管理に慣れている佐々木さん(売主)
こうした事情がそろえば、「大家(賃貸人)はそのまま残る」という契約が成り立つこともあるのです。
【不動産をお持ちのあなたへ】その物件、いくらで売れるか知っていますか?
もし「自分の不動産がいくらで売れるんだろう?」と気になっている方は、
まずは無料で不動産査定ができる『不動産売却王』を使ってみてください。
手軽に査定できて、売る・売らないに関わらず価値を知ることができますよ!
まとめキーワード
- 賃貸人たる地位の留保
- 大家が変わらない売却
- 不動産譲渡と賃貸借契約
- 賃料の流れ
- 不動産売却王