これは不動産関連の法律や知識を盛り込んだミニドラマです。
物語形式で難解に思われがちな法律や知識を出来るだけ分かりやすく伝えています。
なお、このドラマで出てくる登場人物、団体等はフィクションです。
「ねえ、ママ。このマンションって地震が来たらどうなるの?」
小学3年生の娘がふと、そんな質問をしてきたのは、最近ニュースで「防災庁が設置されるかもしれない」と聞いた直後のことでした。
「大丈夫よ。マンションは頑丈にできてるから」
私はそう答えたものの、内心少し不安になりました。確かにコンクリート造りで壊れにくい。でも、それだけで本当に安心なの?

そんなとき、管理組合の役員をしている隣の奥さんとエレベーターで一緒になりました。思い切って聞いてみたんです。
「このマンションって、防災の準備とかちゃんとしてるのかな?」
すると奥さんは少し困った顔をして、こう言いました。
「実はね、防災用品は少しあるけど、誰がどう動くかは決まってないの。賃貸の人たちもいるし、話し合いもしにくくて…」
えっ、そうなの?と驚く私。
ニュースでは、マンションはコンクリート造だから阪神・淡路大震災の時もあまり亡くなった人はいなかったって。でも、それって“建物”の話。
実際に災害が起きたとき、どうやって助け合うのか、避難できるのか…。そういう“ソフト面”の準備は、まったく別問題なんです。
マンションって、分譲と賃貸が混ざってるところも多いですよね。けれど、防災の話し合いをするのは、管理組合=分譲の人たちだけ。賃貸の住民は参加できないんです。
でも、いざ地震が来たら、そこに住んでる人たち全員が協力しないといけないのに…。
さらに東京都では「なるべく家にとどまって避難する」=在宅避難を勧めているって知っていますか?
けれど、いざ電気も水も止まったら? そんな中、誰がどう助け合うのか決まっていなかったら、不安ですよね。
そして、もしマンションが壊れてしまったらどうするか――。
その復旧や修理も、住んでいる人が勝手にできるわけじゃなく、マンションの“所有者”たちの合意が必要。つまり、話し合いでみんなが「直そう」と決めないと動けないんです。
でも、そもそも大災害のときに全員が集まれるのか、どうやって連絡を取るのか。考えるだけで難しいですよね。
今回政府が考えている防災庁。もし設置されるなら、こうしたマンションの事情にもしっかり目を向けてほしい――そう強く思います。
「もしものとき」に備えるのは、誰もが大切。でも一人じゃ限界があります。だからこそ、同じマンションに住む人たちとつながるきっかけが必要なんですね。
そして、もし「うちのマンションはもう古いし、今後が心配…」という方は、不動産売却王のような専門サービスを使って、売却も含めた次の選択肢を考えるのも一つです。
不動産売却王では、オンラインで簡単に無料査定ができて、専門の不動産会社がサポートもしてくれるので安心。
「防災」というと、非常食や懐中電灯だけをイメージしがちですが、実は「どこで、誰と、どう暮らすか」を見直すことも防災の一つかもしれませんね。