2025年9月に発表された、同年7月時点の福島県須賀川市の基準地価について、詳細を検証していきます。本記事では地価の動向をランキング形式で整理し、注目すべきポイントを簡潔にまとめました。
平米単価トップ5
平米単価(坪単価)のトップ5は以下の通りです。
第1位
(1) 山寺町178番 54,000円/㎡(17万円/坪) +2.46%
第2位
(2) 塚田88番 45,300円/㎡(14.9万円/坪) ±0.00%
第3位
(3) 弘法坦120番 44,500円/㎡(14.7万円/坪) +1.13%
第4位
(4) 八幡町120番1 43,800円/㎡(14.4万円/坪) +2.09%
第5位
(5) 上北町93番 42,300円/㎡(13万円/坪) -0.47%
上位5地点は、いずれも須賀川駅周辺または市中心部に位置し、交通や商業の利便性が高い地域です。特に山寺町・八幡町周辺は、須賀川市内でも行政機能や商店が集まり、地価が比較的安定しています。これらの地点は、地域の中核的な生活圏を反映しており、市全体の動向を象徴するエリアといえるでしょう。
須賀川市では、駅西地区を中心とした都市整備計画が進行しており、道路拡幅や歩行者空間の整備、空き店舗の利活用支援などが進められています。これらの動きは、将来的に中心部の地価を緩やかに押し上げる要因になる可能性があります。
上昇率トップ5
上昇率のトップ5は以下の通りです。
第1位
(1) 岩瀬森106番6外 41,000円/㎡(13万円/坪) +6.49%
第2位
(2) 芦田塚147番 37,200円/㎡(12万円/坪) +5.68%
第3位
(5) 山寺町178番 54,000円/㎡(17万円/坪) +2.46%
第4位
(3) 八幡町120番1 43,800円/㎡(14万円/坪) +2.09%
第5位
(7) 横山町2番 16,200円/㎡(5万円/坪) +1.25%
上昇率トップの岩瀬森地区と芦田塚地区はいずれも住宅地としての需要が堅調です。特に岩瀬森は須賀川駅から徒歩圏内にあり、通勤・通学の利便性に優れています。周辺にはスーパーや飲食店などが点在し、生活に便利な住環境が整っています。
須賀川市全体の住宅地平均変動率は+1.9%前後で、福島県平均(+2.8%)と比べるとやや緩やかな上昇です。ただし、中心部では堅調な地価上昇が続いており、安定した需給バランスが保たれています。再開発の効果や建築コストの上昇、駅周辺の住宅需要が市全体を下支えしている状況です。
下落率トップ5地点
下落率のトップ5は以下の通りです。
第1位
(2) 和田字六軒110番 13,500円/㎡(4万円/坪) -1.45%
第2位
(4) 長沼字金町73番1 13,800円/㎡(4万円/坪) -1.42%
第3位
(1) 小作田字荒町36番1外 14,000円/㎡(4万円/坪) -1.40%
第4位
(3) 今泉字町内182番 7,500円/㎡(2万円/坪) -1.31%
第5位
(5) 泉田字竹の内140番1 7,700円/㎡(2万円/坪) -1.28%
下落地点の多くは、市街地から離れた郊外や農業地帯に位置しています。人口減少や交通の不便さなどによって宅地需要が弱まり、地価を押し下げている要因となっています。須賀川市の郊外部では、特に若年層の流出と高齢化が進み、土地取引の停滞が目立つ傾向があります。
ただし、下落率はいずれも-1%台と小幅であり、急激な下落は見られません。市全体としては、中心部の堅調な地価が周辺地域の下落を緩和している構図です。
まとめ
須賀川市では、駅西地区を中心に道路拡幅や駅前広場整備など、都市再生を目的とした取り組みが続いています。また、空き店舗対策や商業施設の誘致支援など、中心市街地の回遊性を高める施策も進行中です。
一方で、郊外型商業施設の拡大や人口減少といった課題は依然として残っています。そのため、地価上昇というよりは「地価の安定化施策」として再開発が機能しているのが現状です。
今後は、駅周辺の利便性向上や住宅需要の再喚起が、地価の底堅さを維持する鍵となるでしょう。
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