2025年9月に発表された、同年7月時点の福島県郡山市の基準地価について、詳細を検証していきます。本記事では地価の動向をランキング形式で整理し、注目すべきポイントを簡潔にまとめました。
平米単価トップ5
平米単価(坪単価)のトップ5は以下の通りです。
第1位
(1) 中町253番 300,000円/㎡(99万円/坪) +7.14%
第2位
(2) 大町1丁目283番1外 164,000円/㎡(54万円/坪) +7.89%
第3位
(3) 虎丸町103番4 152,000円/㎡(50万円/坪) +7.04%
第4位
(4) 神明町111番11 136,000円/㎡(44万円/坪) +0.74%
第5位
(6) 朝日3丁目22番 130,000円/㎡(42万円/坪) +12.06%
トップ5の構成を見ると、郡山市では駅前・中町・大町など中心商業地が依然として高水準を維持しています。駅近・商業利便性の高さが価格維持の主因であり、今後も地価安定の拠点として機能すると考えられます。特に中町が第1位、虎丸町や神明町も上位に位置している点は、駅近・商業利便性を重視する需要の強さを反映していると考えられます。公式資料では、郡山市の駅前一丁目地点は公示地価の最高地点で「39万6000円/㎡」など、駅前通りが地価水準を牽引していることが確認されており、まさにこの“中心拠点”の価値が全体を牽引している構図が見て取れます。
また、朝日3丁目の +12.06% といった大幅上昇地点がトップ5に顔を出している点も注目で、中心部以外のエリアでも伸びを示す地点が散見されていることを示しています。こうした地点では将来期待・周辺環境改善などが地価上昇を後押ししている可能性があります。
上昇率トップ5
上昇率のトップ5は以下の通りです。
第1位
(5) 朝日3丁目22番 130,000円/㎡(42万円/坪) +12.06%
第2位
(1) 麓山2丁目62番外 106,000円/㎡(35万円/坪) +10.41%
第3位
(2) 桑野2丁目113番4 127,000円/㎡(41万円/坪) +8.54%
第4位
(6) 大町1丁目283番1外 164,000円/㎡(54万円/坪) +7.89%
第5位
(12) 開成3丁目243番 90,000円/㎡(29万円/坪) +7.78%
上昇率ランキングを見ると、朝日3丁目の +12.06% が圧倒的な伸びを示して第1位となっており、前述の平米単価トップ5にも重複して登場しています。このように単価が高くない地点でも上昇率が高い地点が見られ、地価改善の兆しが広がっています。再整備やインフラ改善が進む地域では、将来的な再開発や人口回復への期待が上昇を後押ししていると考えられます。
また、桑野・開成といった地域名が上昇率ランキングに出てきていることは、中心部以外エリアの地価動向が注目されていることを示します。駅近以外のポイントでも変化ポテンシャルを探すことが、将来の資産戦略上有効と言えるでしょう。
下落率トップ5地点
下落率のトップ5は以下の通りです。
第1位
(1) 字十貫河原56番22 17,700円/㎡(5万円/坪) -5.34%
第2位
(12) 富久山町福原字陣場223番3 8,400円/㎡(2万円/坪) -4.54%
第3位
(2) 田村町金屋字二本木37番1 25,300円/㎡(8万円/坪) -3.06%
第4位
(7) 西田町鬼生田字町328番1外 9,000円/㎡(2万円/坪) -2.17%
第5位
(3) 笹川1丁目102番 26,200円/㎡(8万円/坪) -1.87%
下落率ランキングを見ると、地価水準が低い郊外や住宅密度の低いエリアが多く含まれています。交通アクセスの弱さに加え、人口減少や空き家率の上昇も影響しており、地価下落リスクが高まりやすい傾向が見られます。
たとえば十貫河原地区は坪単価5万円程度、非常にローカルな住宅地あるいは郊外地であり、地価下落幅が比較的大きく出ています。このことは、中心部から距離のある地域や交通アクセスが弱い地域では、地価低迷リスクが高まっている構図を示しています。
また、富久山町福原・田村町金屋・笹川など、郡山周辺のエリアが複数名を占めています。これらは地盤的に中心部とは異なる方向性を持つエリアであり、郡山市の地価が上昇している中で、すべての地点が恩恵を受けているわけではないという“地域差の実態”を浮き彫りにします。こうした地点の所有者には、用途変更や付加価値策を講じて対処することが求められるでしょう。
まとめ
2025年の郡山市の基準地価を分析すると、中心市街地や駅前エリアが依然として高水準を維持しており、商業地の地価は堅調です。特に朝日3丁目のような上昇地点は、中心部近接性・地域改良の観点から今後も注目度が高いと考えられます。一方で、郊外や交通アクセスに課題を抱える地域では下落傾向が見られ、エリア間の地価格差が明確になりつつあります。
また、上昇率ランキングを眺めると、単価だけでなく「伸び率」で注目すべき地点も浮かび上がります。ひとたび地価上昇の波が及ぶエリアでは、早めに対象地域を抑えておくことが強みになります。下落率地点を見ると、地価低迷リスクが明確な地域もあるため、所有地・注目エリアの特性と将来性をしっかり見極める必要があります。
今後、郡山市の都市計画・交通整備、インフラ整備、商業施設誘致といった要因がこれらランキング地点の地価推移に大きく関わってくるでしょう。地価の“高値帯”と“上昇ポテンシャル帯”を見極めながら、不動産売却や投資判断を進めることが肝心です。
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