家を売却する際には、様々な費用が発生します。
売却益を最大限に得るためには、これらの費用を事前に把握し、できる限り抑えることが重要です。
今回は、家を売る際にかかるお金の内訳を具体的に解説し、費用を抑えるための方法についてもご紹介します。
家を売る際にかかるお金の内訳
仲介手数料は売却価格に応じて変動する
不動産売却において、最も大きな費用となるのが仲介手数料です。
これは、不動産会社に支払う手数料で、売却価格の3%＋6万円（消費税別）が一般的な相場です。
ただし、この金額は売買契約書に記載される売却価格に基づいて算出されるため、売却価格が高ければ高いほど、仲介手数料も高額になります。
例えば、3000万円の物件を売却する場合、仲介手数料は105.6万円（（3000万円 × 3% + 6万円） + 消費税（10%）= 105.6万円）となります。
一方、2000万円の物件であれば、仲介手数料は72.6万円（（2000万円 × 3% + 6万円）+ 消費税（10%）= 72.6万円）
売却価格が1000万円違うことで、33万円もの差額が生じることがわかります。
印紙税は売買契約書に必要
売買契約書を作成する際には、印紙税の納付が必要です。
印紙税は、売買契約書に貼付する印紙の形で納める税金で、契約金額によって異なり、契約金額が200万円を超える場合に課税されます。
例えば、3000万円の物件を売却する場合、印紙税は通常1万円（軽減税率適用時）となります。（最新の税率は国税庁のHPを確認してください。）
契約金額が大きければ大きいほど、印紙税の額も高くなるため、注意が必要です。
抵当権抹消には費用が発生する
物件に抵当権が設定されている場合、売却後に抵当権を抹消する必要があります。
抵当権抹消登記にかかる費用は、物件の価格や抵当権の金額に関わらず一定です。
具体的には、登録免許税が不動産1件につき1,000円かかります。
また、手続きを司法書士に依頼する場合は、2〜3万円程度の報酬が必要です。
自分で申請すれば費用を抑えることもできますが、専門知識が必要になるため、一般的には司法書士に依頼するケースが多いです。
金融機関とのやり取りなど、時間と手間がかかる場合があるため、余裕を持って手続きを進めることが重要です。
譲渡所得税は利益に応じて課税される
売却益（売却価格－取得価格－諸費用）に対して、譲渡所得税が課税される場合があります。
譲渡所得税の税率は、売却益の額や保有期間によって異なります。
例えば、長期譲渡所得の税率は、所得税15%＋住民税5%＝20.315%（復興特別所得税を含む）になります。
一方、短期譲渡所得は39.63%になる場合もあります。
売却益が大きくなるほど、譲渡所得税の負担も大きくなるため、税金対策を事前に検討しておくことが重要です。ただし、マイホーム（居住用財産）を売却した場合には、最大3,000万円の特別控除や、軽減税率の特例が使える場合があります。こうした制度の適用可否や詳細については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
家を売る際にかかるお金を安くするには？
仲介手数料の割引交渉をする
仲介手数料は、不動産会社との交渉によって割引が可能な場合があります。
複数の不動産会社に査定を依頼し、手数料の比較を行うことで、より有利な条件で売却を進めることができます。
また、売却活動の期間や、売却価格設定など、積極的に交渉することで、手数料の割引を期待できる可能性があります。
売却時期を調整する
不動産市場の動向は、価格や売却期間に影響を与えます。
相場が高騰している時期に売却すれば、高値で売却できる可能性が高まり、結果的に仲介手数料などの負担を相対的に小さくすることができます。
逆に市場が低迷している時期に売却すると、売却価格が下がり、手数料などの負担が大きくなる可能性があります。
売却時期を調整することで、費用を抑えることができるかもしれません。
自分でできることは自分で行う
可能な範囲で、自分でできる作業は自分で行うことで、費用を抑えることができます。
例えば、物件の清掃や写真撮影、広告作成などは、業者に依頼するよりも自分で行う方が費用を抑えられます。
ただし、専門的な知識や技術が必要な作業は、専門業者に依頼する方が安全です。
まとめ
家を売る際には、仲介手数料、印紙税、抵当権抹消費用、譲渡所得税など、様々な費用が発生します。
これらの費用は、売却価格や物件の状況、売却方法などによって変動します。
費用を最小限に抑えるためには、事前に各費用の内訳をしっかりと理解し、仲介手数料の交渉、売却時期の調整、自分でできる作業の効率化などを検討する必要があります。
綿密な計画と準備によって、売却益を最大限に高めることが可能です。
